NYダウ: 24542.54  △182.33 (5/9)
NASDAQ: 7339.91  △73.00 (5/9)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場はトランプ米大統領がイラン核合意からの離脱を表明したことによる原油高を受けて上昇しました。38ドル高でスタートしたダウ平均は上値が伸び悩むと小幅にマイナスとなる場面もありましたが、下げ渋ったことで持ち直し午後には大きく上げ幅を広げる展開となりました。取引終盤に226ドル高まで買われる場面もあったダウ平均は結局182ドル高の24,542ドルと5日続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も73ポイント高の7,339ポイントと4日続伸となりました。

2.経済指標等
4月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.1%上昇に止まり市場予想を下回りました。3月の米卸売在庫も前月比0.3%増に止まり市場予想を下回っています。3月の米卸売売上高は0.3%増となっています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げました。そのなかでもエネルギーが2%高となったほか、金融と素材、情報技術、資本財・サービスも1%を超える上昇となっています。一方で電気通信サービスと公益事業が下げ、電気通信サービスは1%以上の下落となりました。

4.個別銘柄動向
原油価格の上昇を受けてエクソンモービル(XOM)が2%を上回る上昇となったほか、シェブロン(CVX)も2%近く上げています。また、素材株にも買いが広がりダウ・デュポン(DWDP)が3%近く上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。金利上昇を受けて金融株も買われ、JPモルガン・チェース(JPM)とゴールドマン・サックス(GS)が2%前後の上昇となりました。また、決算が市場予想を上回った旅行予約サイトのトリップアドバイザー(TRIP)が急伸し23%近く上げています。一方でインドのネット通販最大手フリップカート・グループを買収すると発表したウォルマート・ストアーズ(WMT)が財務負担を懸念した売りで3%以上下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。

5.為替・金利等
長期金利は原油価格の上昇を受けて0.03%高い3.00%となりました。ドル円は109円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が昨日に上値を押さえられた5日移動平均線(昨日時点で22,473円)を超えて節目の22,500円を回復できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)