1.概況
大型連休明けの日経平均は円高が重石となり小幅続落となりました。40円高の22,513円で寄り付いた日経平均は寄り付きをほぼ高値として上値が伸び悩むとドル円が108円台後半へと円高に振れたこともあってまもなくしてマイナスに転じ10時過ぎには121円安と下げ幅を三桁に広げました。その後円高が一服しドル円が109円台前半まで戻したことで下げ幅を縮めた日経平均は小安く推移すると引け間際に小幅なプラスに転じる場面もみられましたが、結局戻し切れず5円安の22,467円で取引を終えています。一方でTOPIXはわずかに反発したほか、新興市場もしっかりで東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに続伸となっています。

2.個別銘柄動向等
目標株価や投資判断の変更に大きく反応する銘柄がみられました。第一三共(4568)が目標株価の引き上げを好感して5.1%高となったほか、ヤマハ(7951)が投資判断と目標株価の引き上げで5.4%高となっています。IHI(7013)も投資判断と目標株価の引き上げで一時4.0%高まで買われました。一方でルネサスエレクトロニクス(6723)は投資判断の引き下げを嫌気して一時5%近く下げる場面がみられました。4月の既存店売上高の発表を受けて大きく動いたのが良品計画(7453)とカジュアル衣料大手のアダストリア(2685)で、良品計画は既存店売上高が前年同月比で6%以上伸びたことで3.8%高となり、反対にアダストリアは既存店売上高が10%以上減ったことで10.1%安と急落しました。決算に大きく反応したのがJUKI(6440)や簡易食品トレー大手のエフピコ(7947)、オートバックス(9832)などで、JUKIは第1四半期の営業利益が4割を超す大幅な減益となったことで22.8%安と急落し、エフピコも業績予想が市場予想に届かなかったことで7.2%安と大きく下げましたが、オートバックスは2割を上回る大幅な営業増益の業績予想を発表したことで4.8%高と大きく上げています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
今週は決算発表が佳境を迎えます。明日以降連日で数多くの企業が決算を発表しますが、そのなかでも9日に決算を発表する予定のトヨタ(7203)は今回から取引時間中の13時に決算を発表することから注目を集めそうです。そしてこうしたなか決算を支えに一目均衡表の雲を抜けてきた日経平均がさらに戻りを試す展開をみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)