1.概況
本日の日経平均は116円高の2万1794円と上昇しました。TOPIXやJPX日経400も上昇しましたが、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数は小幅に下げています。昨日の米国市場で主要指数は小幅に上昇しましたが、日経平均は昨日米国株安を受けても上昇していたこともあってか78円安の2万1599円と小幅に反落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後しばらくマイナス圏で推移しましたが、10時頃からじりじりと下げ幅を縮めるとまもなく小幅なプラスに転じました。中国の習国家主席が自動車への輸入関税を引き下げる方針を示したと伝わると日経平均は急速に上昇の勢いを強めて前場を234円高で終えました。日経平均は後場に入ってやや上げ幅を縮めましたがプラス圏での推移が続き、結局116円高で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆7034億円となりました。東証33業種は鉄鋼、機械、石油石炭製品、ゴム製品など21業種が上げました。一方で医薬品やサービス業、食料品や小売業など内需関連業種を中心に12業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)が1%安となったほか、連日大きく上昇していたマネックスグループ(8698)が7.1%安となり、小野薬品工業(4528)も12.3%安と大きく下落しました。小野薬品工業は米製薬会社のメルク(MRK)が、がん免疫療法薬の臨床試験が好結果だったと発表し、競合製品の台頭懸念から売られたようです。一方でトヨタ自動車(7203)、ソフトバンクグループ(9984)、ファナック(6954)、ソニー(6758)などが上昇しています。材料が出たところでは、百貨店の高島屋(8233)が8.6%の大幅安となりました。前期決算は増収増益で着地しましたが、今期の営業利益予想を大幅な減益と発表したことが嫌気されました。また、前期決算が従来の会社予想をやや下回って着地し、今期予想も小幅な増益にとどまった宝石等を販売するヨンドシーホールディングス(8008)も10%超の大幅安となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は116円高と続伸しました。本日の日本市場では小売やサービス業など内需関連銘柄が売られました。また、決算発表で今期予想が冴えなかった高島屋やヨンドシーホールディングスが大幅安となるなど、決算発表を受け大きな値動きのある銘柄が散見されます。本日の大引け後にはABCマート(2670)、ビックカメラ(3048)、J.フロントリテイリング(3086)などが決算発表を行いました。明日のマーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)