1.概況
本日の日経平均は96円安の2万1292円と小幅に続落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場でダウ平均が458ドル安と大きく下落したことを受け、日経平均は273円安と大幅に続落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に332円安と1日の安値をつけましたが踏みとどまると、ドル円がやや円安に戻ったこともありその後は徐々に下げ幅を縮めました。前場を187円安で終えた日経平均は後場寄りからさらに下げ幅を縮めました。引けにかけても値を戻した日経平均は結局小幅安での大引けとなりました。東証1部の売買代金は2兆2470億円と2兆円台を回復したものの引き続き低水準でした。東証33業種は水産・農林業や陸運業、小売業など内需関連業種を中心に11業種が上昇しました。一方で石油石炭製品やその他製品など22業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は多くが下げました。売買代金トップの任天堂(7974)が3%安となったほか、ソフトバンクグループ(9984)、ファナック(6954)、トヨタ自動車(7203)、東京エレクトロン(8035)、ソニー(6758)が下落しました。一方でファーストリテイリング(9983)、三菱UFJ(8306)などは上昇しています。調理用家電などを手掛ける象印マホービン(7965)が10%超の大幅安となりました。昨日発表した第1四半期決算で営業利益が前年同期比11.7%減と冴えなかったことが嫌気されました。一方で3月の月次売上高が前年同月比5.3%増と好調だったデパートの松屋(8237)は4.5%高としっかりでした。また通期決算が増収営業増益で着地し、今期の業績予想も大幅な増収増益と発表した自転車販売大手のあさひ(3333)は5.7%高となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は96円安と続落しましたがダウ平均が400ドル以上下げたことからすると底堅い印象でした。ただ、特に米国市場で貿易戦争懸念やIT株に対する不安感などでボラティリティの高い展開が続いていることからそちらが落ち着いてこないと日本市場もなかなか安定的な上昇は期待しづらいのかもしれません。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)