1.概況
本日の日経平均は127円高の2万1159円と反発しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場で主要指数は下落しましたが、ドル円が106円台後半まで円安に振れたことから日経平均は219円高と反発して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に267円高まで上げ幅を広げましたがそこが1日の高値になるとその後は徐々に上げ幅を縮めました。前場を122円高で終えた日経平均は後場に入ってしばらくは前場終値水準で推移しましたが、13時半過ぎから急速に上げ幅を縮めると一時は小幅なマイナスに転じる場面がありました。日経平均は引けにかけて値を戻し結局127円高と前引け近辺での大引けとなりました。東証1部の売買代金は2兆5507億円となりました。東証33業種はサービス業や食料品、水産・農林業など内需関連業種を中心に20業種が上昇しました。一方で鉱業や医薬品など13業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は下げた銘柄が多くなりました。売買代金トップの任天堂(7974)が小幅に上げたほか、ファーストリテイリング(9983)も2.5%高としっかりでした。一方でソフトバンクグループ(9984)、トヨタ自動車(7203)、三菱UFJ(8306)、武田薬品(4502)、ソニー(6758)、ファナック(6954)、パナソニック(6752)がいずれも下落しました。中でもアイルランドの大手製薬会社の買収を検討していると報じられた武田薬品は買収資金の捻出のために増資を行うのではとの思惑から売られ7%超の大幅安となりました。また、車載用電池を供給する米国の電気自動車会社テスラ(TSLA)が昨日も大きく下げたことからパナソニックも4%近い大幅続落となりました。その他材料が出たところでは、動物向けの医療保険などを手掛けるアニコムホールディングス(8715)が7%近い大幅高となりました。同社と富士フイルムホールディングス(4901)が共同出資する会社が動物への再生医療を本格的に開始すると発表したことが好感されました。また、3月の月次売上高が前年同月比20%増と堅調だったオフィス用品配達のアスクル(2678)は1%高としっかりでした。
【VIEW POINT: 明日への視点】
一時はマイナスに転じた日経平均ですが結局127円高と反発しました。昨日の実質的な下げ幅が120円強でしたので、本日はその下げを埋めたことになります。明日はいよいよ2017年度の最終営業日です。昨年の3月末の日経平均は1万8909円で、本日時点で12%近く上昇しています。年度の最後は爽快に値上がりして終えることを期待したいところです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)