1.概況
本日の日経平均は286円安の2万1031円と大幅に反落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数も下落しましたが新興市場のマザーズ指数は小幅に上昇しました。昨日の米国市場でダウ平均が344ドル安と大きく下落したこと、配当落ち分が約160円あったこともあり日経平均は424円安と2万893円と大幅に反落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に徐々に下げ幅を広げると10時前に540円安と1日の安値をつけました。ドル円が105円台で踏みとどまったこともあってか日経平均はその後は徐々に下げ幅を縮めて、前場を377円安で終えました。日経平均は後場に入っても下げ幅を縮めましたが、14時頃から一転して急速に下げ幅を広げる展開となり再び下げ幅が500円を上回る時間帯もありました。しかし前場の安値は割らずに踏みとどまると14時半頃から急速に下げ幅を縮めて結局286円安の2万1031円と1日の高値で取引を終えました。配当落ち分を考慮すると、日経平均は実質的には120円程度の下げということになります。東証1部の売買代金は2兆7387億円となりました。東証33業種は電気・ガス業、ゴム製品、空運業の3業種のみ上昇し残る30業種が下落しました。中でも石油石炭製品、非鉄金属、鉱業の3業種は2%を超える下げとなりました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが下落しました。任天堂(7974)が2.6%安となったほか、ソフトバンクグループ(9984)、トヨタ自動車(7203)、ファナック(6954)、三菱UFJ(8306)、ソニー(6758)、ファーストリテイリング(9983)、東京エレクトロン(8035)、パナソニック(6752)がいずれも下落しました。中でもソフトバンクグループが4%安、東京エレクトロンが4.4%安、パナソニックが5.1%安とそれぞれ大きな下げとなりました。パナソニックは車載用電池を供給する米国の電気自動車会社テスラ(TSLA)の急落を受け連想売りが出たとみられます。その他材料が出たところでは、ドラッグストアのクスリのアオキ(3549)が5%超の大幅高で上場来高値を更新しました。3月の既存店売上高が前年同月比7.3%増と堅調だったことから買われました。また、1対2の株式分割を発表した医療・医薬品データのネットワーク化を手掛けるメディカル・データ・ビジョン(3902)も14%超の大幅高で上場来高値を更新しました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
大幅反落となった日経平均ですが実質的な下げ幅は120円程度で、持ち直して2万1000円の節目を保ったことはポジティブに捉えることができそうです。米国市場を中心にボラティリティの高い展開が続いており、マーケット全体の方向性は非常に読みにくい状況が続いています。こうした時期は、例えば円高による業績不安が相対的に少ない内需関連の好業績株が大きく下げたところを少しずつ買い下がっていくようなスタンスで望むのが1つの方法かもしれません。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)