1.概況
本日の日経平均は211円高の2万1591円と4日ぶりに反発しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日と一昨日の米国市場でダウ平均が計70ドル以上上昇した一方で、ドル円が105円台で推移するなど強弱材料が入り混じるなか日経平均は28円安と小安く寄り付きました。昨日開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)が市場が警戒したほどタカ派的(金融引き締めに積極的)ではなかったことが安心感を誘ったのか、本日の日経平均は寄り付きの水準が1日の安値になるとその後はすぐにプラスに転じて上げ幅を広げる展開となりました。前場を80円高で終えた日経平均は後場に入ってもじりじりと上げ幅を広げると結局211円高とほぼ高値引けで取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆6698億円となりました。東証33業種は24業種が上昇、9業種が下落しました。原油高を受け鉱業や石油石炭製品が大きく上昇したほか、サービス業、医薬品、精密機器などがしっかりでした。一方で空運業や食料品、電気・ガス業などが下落しました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)が1.6%高となったほか、ソニー(6758)、ファナック(6954)、三菱UFJ(8306)が上昇しました。一方でJT(2914)が4%超の大幅安となったほか、ソフトバンクグループ(9984)、三井住友(8316)、トヨタ自動車(7203)、東京エレクトロン(8035)が下落しました。材料が出たところでは、流通関連ビル賃貸のテーオーシー(8841)が7%近い大幅高となりました。自己株を償却すると発表したことが好感されました。一方で芸能事務所のアミューズ(4301)が13.5%の急落となりました。今期の業績予想を下方修正したことが嫌気されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
FOMCは市場の予想通り利上げを決定しましたが、今年の利上げ回数の見通しは前回から据え置かれるなど市場が警戒したほどにはタカ派的ではありませんでした。そうした安心感もあってか日経平均は寄り付きがほぼ1日の安値で大引けがほぼ高値という堅調な1日となりました。しかしドル円は105円台で推移しており、一段の円高進行への警戒感もあることから日本株は引き続きやや上値が重い展開を想定しています。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)