NYダウ: 24895.21 △93.85 (3/8)
NASDAQ: 7427.95 △31.30 (3/8)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は貿易摩擦への懸念が後退し上昇しました。52ドル高で始まりまもなくして150ドル高近くまで買われたダウ平均ですが、トランプ米大統領による鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を命じる文書への署名を控え様子見となるなか上げ幅を縮めるとマイナスに転じ午後には100ドル安近くまで売られました。しかし、輸入制限でカナダとメキシコが当面猶予されるなどの内容が正式に明らかになると貿易摩擦への懸念が後退し取引終盤には持ち直す展開となりました。結局ダウ平均は93ドル高の24,895ドルと反発して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も31ポイント高の7,427ポイントと5日続伸となっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2万1千件増の23万1千件となり市場予想を上回る悪化となりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品や公益事業、ヘルスケアなどの10業種が上げ、生活必需品は1%近く上げました。一方でエネルギーが下げています。
4.個別銘柄動向
医療保険大手のシグナ(CI)に総額520億ドルで身売りすることで合意したと発表した薬剤給付管理大手のエクスプレス・スクリプツ(ESRX)が急伸し8%を上回る上昇となりました。シグナは財務負担への懸念から11%を超える下落となっています。また、保有するシェールガス田の一部を売却し増配や自社株買いに充てると発表した石油開発大手のデボン・エナジー(DVN)も4%を上回る上昇となっています。一方で2019年1月期の利益予想が市場予想を下回ったスーパーのクローガー(KR)が急落し12%を超える下落となっています。決算で利益率が悪化したことが嫌気されカジュアル衣料大手のアメリカン・イーグル・アウトフィッターズ(AEO)も急落し9%を超える下落となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%低い2.85%となりました。ドル円は106円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。今晩に米雇用統計の発表を控え様子見となりやすいなかで日経平均が上値を伸ばし3月1日と2日に空けたマド(21,366円-21,645円)を埋めるような展開となるかがポイントとなりそうです。また、金融政策に変更はないとみられていますが、本日は昼ごろに日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定です。さらに本日は3カ月に一度のメジャーSQで、寄り付きの動向も注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)