1.概況
本日の日経平均は115円高の2万1368円と反発しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。中でもマザーズ指数は2%超の大幅上昇となりました。昨日の米国市場でダウ平均は82ドル安と下落しましたが、コーン米NEC委員長の辞任というネガティブ・サプライズを受けて不安視されたほどの大きな下げとはならなかったこと、またドル円が106円台まで円安に振れたことを受け日経平均は235円高の2万1488円と反発して寄り付きました。ただ日経平均は寄り付きが1日の高値になるとその後は徐々に上げ幅を縮めました。前場を158円高で終えた日経平均は、後場に入るとさらに上げ幅を縮めて一時は14時35分に46円高と1日の安値をつけました。引けにかけてやや値を戻した日経平均は結局115円高で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆5017億円となりました。東証33業種はパルプ・紙やその他製品、医薬品など19業種が上昇した一方で海運業や石油石炭製品、その他金融業など14業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は概ね上昇しました。売買代金トップの任天堂(7974)と2位の東京エレクトロン(8035)がともに4%を超える上昇となったほか、ソニー(6758)、ソフトバンクグループ(9984)、三菱UFJ(8306)、ファナック(6954)、SBI(8473)などが上昇しました。一方でファーストリテイリング(9983)やコマツ(6301)が下げています。材料が出たところでは、製薬会社のエーザイ(4523)が10%近い大幅高となりました。米製薬会社のメルク(MRK)と抗がん剤の開発で戦略的提携を行うこと、それに伴い業績予想を上方修正したことが好感されました。一方で焼き鳥屋チェーンを展開する鳥貴族(3193)が8%安と急落しました。2月の既存店売上高が前年同月比6%減と冴えなかったことが嫌気されました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
反発した日経平均ですが、寄り付きが天井となり上げ幅を縮めるなど上値の重さが意識される1日となりました。本日は欧州中央銀行(ECB)の政策理事会が開催されます。大きな政策変更の発表はないとみられていますが、トランプ米大統領がEUも含めて貿易戦争になりかねない発言を繰り返していることに対し何らかの発言が行われるかなど注目されます。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)