1.概況
本日の日経平均は542円安の2万1181円と大幅に下落し3日続落となりました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。トランプ米大統領が鉄鋼やアルミに大幅な追加関税を課す方針を示したことが波乱材料となり、昨日の米国市場はダウ平均が420ドル安となるなど大幅に下落しました。米国株安を受け日経平均は384円安の2万1339円で寄り付きました。前場の日経平均はほとんど反発することなく下げ一辺倒になるとまもなく下げ幅が600円を超え、結局627円安で前引けをむかえました。日経平均は後場に入ると下げ幅を400円台に縮める時間帯もありましたが、引けにかけて再び下げ幅を広げて結局542円安で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は3兆235億円となりました。東証33業種は全業種が下落しました。精密機器が3.2%安となったほか、鉄鋼、ゴム製品、輸送用機器も2%台後半の下げとなっています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが下落しました。売買代金トップの任天堂(7974)こそ1%弱上昇したものの、ソフトバンクグループ(9984)、トヨタ自動車(7203)、三菱UFJ(8306)、ファーストリテイリング(9983)、ファナック(6954)、ソニー(6758)などがいずれも下落しました。トランプ米大統領の関税引き上げ意向を受け、鉄鋼各社が大きく下落しました。新日鉄住金(5401)が3.8%安となったほか、神戸製鋼(5406)が2.7%安、JFE(5411)が2.8%安などとなっています。その他材料が出たところでは、百貨店の松屋(8237)が4.6%の大幅高となりました。2月の月次売上高が前年比12.3%増と好調だったことが好感されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
米国株の大幅安を受け、日経平均も大きく下落しました。短期的には引き続き厳しい相場環境が続くかもしれませんが、日経平均が2月14日につけた安値を本日割り込まなかったことや200日移動平均付近で止まっていることがサポート材料になることを期待したいところです。また、日経平均の予想PERは12倍台とかなり割安な水準にあるとともに、東証1部の騰落レシオは82%とこちらも売られ過ぎの水準にあります。こうした指標面からの割安さがサポートになり、二番底の形成となるか注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)