1.概況
本日の日経平均は343円安の2万1724円と大幅に続落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場でダウ平均が400ドル安近い大幅続落となったことを受け、日経平均は167円安の2万1901円で寄り付きました。本日の日経平均は寄り付きが高値になると、ほぼ1日を通して下げ幅を広げる展開となりました。ほとんど反発することなく下げ幅を広げた日経平均は前場を353円安で終えました。日経平均は後場に入ると安値圏でもみ合いのようになりましたが、14時過ぎからさらに下げ幅を広げると一時は423円安まで下落しました。日経平均は引けにかけてやや持ち直しましたが、結局343円安と大幅続落で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆7893億円となりました。東証33業種は空運業を除く32業種が下落しました。中でも鉱業や機械、倉庫運輸関連、金属製品などが大きな下げとなりました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが下落しました。任天堂(7974)、三菱UFJ(8306)、トヨタ自動車(7203)、ソニー(6758)、ソフトバンクグループ(9984)、ファナック(6954)、三井住友(8316)がいずれも下落しました。材料が出たところでは、日本航空(9201)が4%超の大幅高となりました。自社株買いの発表や中期経営計画の内容が評価されました。また、第1四半期の売上高が前年同期比43.9%増、営業利益が17.9%増と好調だったコインパーキングなどを展開するパーク24(4666)が4.6%高と堅調でした。さらに、空間ディスプレーの企画設計大手である丹青社(9743)は平成30年1月期の業績予想や配当予想を上方修正したことが好感され、5.5%の大幅高となっています。一方で旅行取り扱い大手のエイチ・アイ・エス(9603)が5.8%の大幅安となりました。11-1月期の売上高が31.6%増、営業利益は60.1%増と堅調で朝方は高く始まったものの徐々に上げ幅を縮めるとまもなくマイナスに転じて結局大幅安で取引を終えました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は連日の大幅安となりました。明日以降もう一段の下げとなれば、2月14日につけた2万1000円どころの安値が意識される展開となりそうです。2万1000円どころの安値を割り込まずに反発し、いわゆるダブルボトムをつけにいくことができるかが3月の日本市場の注目ポイントの1つと言えそうです。今夜の米国市場では個人消費支出(PCE)やISM製造業景況指数の発表、再びパウエル新FRB議長の議会証言が予定されています。引き続き米国株式市場の動向が日本市場のセンチメントに大きく影響しそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)