1.概況
本日の日経平均は445円安の2万2177円と大幅に下落して3日続落となりました。TOPIXやJPX日経400も大きく下落しました。東証2部指数や新興市場のマザーズ指数も下落しましたが、下落率は日経平均などに比べると小幅にとどまりました。昨日の米国市場で主要指数が下落したことを受け、日経平均は97円安の2万2525円で寄り付きました。前場の日経平均はじりじりと下げ幅を広げる展開となり前場を202円安で終えました。米国がエルサレムをイスラエルの首都と認定することが明らかとなり、今後の中東情勢悪化が懸念されたこともあり日経平均は後場寄りから一段安となりました。その後も下げ幅を広げた日経平均は14時過ぎに503円安の2万2119円と一日の安値をつけました。その後引けにかけてやや盛り返した日経平均ですが、結局445円安と今年最大の下げ幅で取引を終えました。東証1部の売買代金は3兆2089億円と3兆円を上回りました。東証33業種は全業種が下落しました。中でも非鉄金属が3%超下げたほか、鉱業、海運業、パルプ・紙、精密機器、証券商品先物、その他金融業が2%を超える下げとなりました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位はほとんどの銘柄が下げました。売買代金トップの任天堂(7974)と10位のSUMCO(3436)のみ小幅に上昇したものの、三菱UFJ(8306)、ファーストリテイリング(9983)、ソフトバンクグループ(9984)、トヨタ自動車(7203)、ソニー(6758)、三井住友(8316)、ファナック(6954)、東京エレクトロン(8035)がいずれも下落しました。中でもファーストリテイリングは5%近い大きな下げで、日経平均を1銘柄で80円あまり押し下げています。靴小売最大手のエービーシー・マート(2670)が2.6%高と堅調でした。11月の既存店売上高が前年同月比8.4%増と大きく伸びたことが好感されました。また、流通関連ビル賃貸大手のテーオーシー(8841)は5.5%高となりました。自己株を除く発行済株式数の16%強にあたる2000万株を上限に自社株買いを行うと発表したことが好感されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は中東情勢悪化懸念が1つの材料となり大幅に下落しました。もちろん中東情勢悪化やテロの頻発化は今後の懸念材料の1つとはなりますが、現時点で本日の株安はやや過剰な反応にも思えます。日経平均は本日の下落で節目として意識されてきた25日移動平均線(本日時点で2万2513円)を割り込んだことなどから、短期的に調整色が強まる可能性もありますが、冷静に好業績銘柄の押し目を拾いたい局面だと考えます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)