1.概況
本日の日経平均は62円高の2万690円と5日続伸して年初来高値を更新しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、新興市場のマザーズ指数と主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場で主要3指数が揃って史上最高値を更新したことを受け、日経平均は88円高と続伸して寄り付きました。日経平均は上げ幅を92円まで広げましたがそこが1日の高値になるとその後は徐々に上げ幅を縮めました。前場を50円高で終えた日経平均は、後場に入ってまもなく30円高と1日の安値をつけました。取引終盤にドル円が一時113円台をつけたこともあり引けにかけて持ち直した日経平均は、結局62円高で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆2743億円となりました。東証33業種は非鉄金属や保険業、銀行業など23業種が上昇しました。一方でパルプ・紙、電気・ガス業など10業種が下げています。なお、本日の東証規模別指数は、大型株が0.4%高、中型株と小型株はいずれも0.1%未満の上昇と大型株優位の1日となりました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は堅調な銘柄がほとんどでした。売買代金トップの任天堂(7974)が2.7%高で年初来高値を更新したほか、三菱UFJ(8306)、トヨタ自動車(7203)、ファーストリテイリング(9983)、三井住友(8316)、石川製作所(6208)などがいずれも上昇しています。中でもファーストリテイリングは3.3%高となり日経平均を42円押し上げました。材料が出たところでは、大手ディスプレイメーカーから大口受注を獲得したと発表したディスプレイ製造装置のブイ・テクノロジー(7717)は1.8%高としっかりでした。また、東北を中心にドラッグストアを展開する薬王堂(3385)が10%の大幅高となりました。昨日発表した中間決算で売上・営業利益ともに前年同期比10%以上増えるなど堅調な業績が好感されました。一方でLPガス販売のサーラコーポレーション(2734)は11%近い大幅安となりました。昨日発表した第3四半期決算で累計の売上高は前年同期比47%増、営業利益は69%増となったものの、6-8月の3ヶ月で見ると8億円近い営業赤字だったことが嫌気されたとみられます。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は5日続伸となり連日で年初来高値を更新しました。ただ、東証1部の値上がり銘柄数954に対し値下がりは959とほぼ拮抗しておりファーストリテイリングの上昇がなければ日経平均は20円程度の上昇にとどまっています。日本時間今夜21時半には米国の雇用統計が発表されます。マーケットの注目は12月に追加利上げが行われるかに集まっており、本日の雇用統計の結果が重要な判断材料になるとみられるため注目されます。来週は小売関連銘柄を中心に日本企業の決算発表が増加します。また、10月10日は朝鮮労働党の創建記念日とあって、北朝鮮が何らかの軍事的挑発を行うのではないかと警戒されています。水爆実験等を行い米朝の軍事的緊張が高まるような事態になればいったんマーケットがリスクオフに傾く可能性があり警戒しておいたほうが良さそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)