1.概況
本日の日経平均は6円安の2万356円と小幅に反落しました。TOPIXやJPX日経400も小幅に下落した一方で東証2部指数や新興市場のマザーズ指数は上昇しました。昨日の米国市場で主要指数が上昇しましたが、ドル円が112円台半ばまで円高に戻したことを受け日経平均は47円安と反落して寄り付きました。やや材料不足の面もあるなか、日経平均は小幅安での推移が続き前場を58円安で終えました。日経平均は後場に入ると徐々に下げ幅を縮めてまもなく一時プラスに転じました。その後は昨日の終値を挟んだ推移となり、結局6円安と小幅安で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆9564億円と3兆円に迫る高水準でした。東証33業種は医薬品やその他金融業、水産・農林業など13業種が上昇しました。一方で鉱業や電気・ガス業、輸送用機器など20業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップには日本郵政(6178)が入り0.5%高と小幅に上昇しました。三菱UFJ(8306)、ファーストリテイリング(9983)、ソニー(6758)もしっかりでした。一方で売買代金2位に入ったリクルートホールディングス(6098)が3%近く下げたほか、任天堂(7974)やトヨタ自動車(7203)も下落しています。その他材料が出たところでは、経営統合する方針を固めたと報じられた回転寿司のスシローグローバルホールディングス(3563)と元気寿司(9828)はともに4%超の大幅高でそれぞれ年初来高値を更新しました。また、中間期の営業利益が前年同期比4割増となりそうだと報じられた化粧品のコーセー(4922)も3%超上昇しました。一方で昨日の大引け後に中間決算を発表した日高屋を展開するハイデイ日高(7611)は7%近い大幅安となりました。業績は堅調だったものの業績予想の修正がなく、材料出尽くし感が広がったとみられます。また、本日上場した家計簿アプリ等を手がけるマネーフォワード(3994)は公募価格の2倍近い3,000円で初値がつき、終値は3,085円となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は6円安とほぼ横ばいで、本日で9月の取引が終了しました。9月の日経平均は前月から710円の上昇となりました。好調な企業業績を背景に株価に割安感があるところに、衆院解散総選挙のニュースを市場は好意的に受け止めた格好となりました。10月はその総選挙動向が注目材料となるほか、北朝鮮問題の動向もリスク要因として意識されます。さらに来週から小売企業の決算発表が本格化するほか、10月後半には3月決算銘柄の決算発表が始まります。好調な業績を受け上方修正が多数出てくるのか注目されそうです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)