NYダウ: 22340.71 △56.39 (9/27)
NASDAQ: 6453.26 △73.10 (9/27)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はトランプ米政権と与党・共和党の議会指導部が発表した法人税率を35%から20%に引き下げるなどの税制改革案を好感し上昇しました。朝方に86ドル高まで買われたダウ平均は上げ幅を縮めるとマイナスに転じ30ドル安近くまで下落しました。その後前日終値を挟んで揉み合う展開となったダウ平均ですが、徐々に買いが優勢になると取引終盤に再び上げ幅を広げ結局56ドル高の22,340ドルと5日ぶりに反発して取引を終えています。また、一時19日に付けた史上最高値(6,461ポイント)を上回る場面もみられたナスダック総合株価指数は73ポイント高の6,453ポイントと続伸し1%を超える上昇となっています。
2.経済指標等
8月の米耐久財受注額は前月比1.7%増となり市場予想を上回りました。民間設備投資の先行指標とされる非国防資本財から航空機を除いたコア資本財の受注も前月比0.9%増となり市場予想を上回っています。一方で8月の中古住宅販売仮契約指数は前月比2.6%低下の106.3となり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融や情報技術、一般消費財・サービスなど6業種が上げ、金融と情報技術は1%を超える上昇となりました。一方で公益事業や不動産、生活必需品などの5業種が下げ、公益事業は1%を上回る下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)とゴールドマン・サックス(GS)が2%を超える上昇となったほか、JPモルガン・チェース(JPM)も1%を上回る上昇となりました。一方でゼネラル・エレクトリック(GE)とコカ・コーラ(KO)が2%以上の下落となり、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)と決算で売上高が市場予想に届かなかったナイキ(NKE)も2%近く下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、目標株価の引き上げが相次いだ半導体のマイクロン・テクノロジー(MU)が急伸しています。また、投稿できる文字数を倍増する実験を始めたと公表したツイッター(TWTR)も利用者の増加につながるとして買われました。ユニホームの貸し出しなどの企業向けサービス大手のシンタス(CTAS)も決算が市場予想を上回る増収増益となり大幅高となっています。
5.為替・金利等
長期金利は税制改革案の公表を受けて0.08%高い2.31%となりました。こうしたなかドル円では円安が進み112円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高と円安を受けて本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は25日に付けた年初来高値(20,397円)を更新できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)