NYダウ: 22412.59 △41.79 (9/20)
NASDAQ: 6456.04 ▼5.28 (9/20)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は米FOMCの結果を受けて小幅に高安まちまちとなるなか、ダウ平均とS&P500株価指数が連日で史上最高値を更新しています。米FOMCの結果発表を午後に控えて前日終値を挟んで揉み合う展開でのスタートとなったダウ平均は昼前から買いが優勢となり一旦30ドル高程度まで買われましたが、年内の利上げを示唆する米FOMCの結果を受けて売りが優勢になるとマイナスに転じ56ドル安まで下落しました。しかし、利上げペースは加速しないとの見方から持ち直すとプラスに転じ41ドル高の22,412ドルとほぼ高値引けで取引を終えています。この結果ダウ平均は9日続伸となり、7日連続で史上最高値を更新しています。また、S&P500株価指数も1ポイント高の2,508ポイントと4日続伸となり、4日連続で史上最高値を更新しています。一方で金利が上昇するなかバリュエーション面に割高感があるハイテク株に売りが出たことでハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は5ポイント安の6,456ポイントと4日ぶりの反落となっています。
2.経済指標等
米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備理事会(FRB)は市場の予想通り政策金利を据え置く一方で、バランスシートの縮小を10月から開始することを決めました。参加メンバーの政策金利の見通しは、2019年末が6月時点から引き下げられ2019年の利上げ見通しは3回から2回となりましたが、2017年末と2018年末の見通しは据え置かれ年内に1回と2018年に3回の利上げを示唆する内容となりました。また、今回から2020年末の見通しも示され2020年は1回の利上げとなっています。8月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比1.7%減の535万戸となり市場予想も下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや資本財・サービス、金融などの7業種が上げました。一方で生活必需品や公益事業などの4業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではマクドナルド(MCD)とファイザー(PFE)、ボーイング(BA)、トラベラーズ(TRV)、IBM(IBM)が1%を超える上昇となっています。また、金利上昇を受けてJPモルガン・チェース(JPM)やゴールドマン・サックス(GS)も堅調でした。一方でアップルウオッチの新モデルに不具合があると伝わったアップル(AAPL)が1%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、投資判断の引き下げを受けてジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も1%を上回る下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、東芝(6502)が東芝メモリの売却で米投資会社ベインキャピタルを軸とする「日米韓連合」と譲渡契約を結ぶことを決議したと発表したことでウエスタンデジタル(WDC)が大幅安となっています。さらに決算が減収減益で1株利益も市場予想を下回った食品大手のゼネラル・ミルズ(GIS)も大きく下げています。
5.為替・金利等
長期金利は米FOMCが年内1回の利上げを示唆する内容だったことを受けて0.02%高い2.26%となりました。こうしたなかドル円ではさらに円安が進み112円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米FOMCの結果を受けてドル円がさらに円安となっていることから本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は連日での年初来高値更新となりそうで、利益確定の売りをこなしてどこまで上値を伸ばせるのかがポイントとなりそうです。また、本日は昼ごろに日銀の金融政策決定会合の結果が発表されますが、現状維持が見込まれておりマーケットへの影響は限定的となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)