NYダウ: 22331.35 △63.01 (9/18)
NASDAQ: 6454.64 △6.17 (9/18)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
先週末の米国市場はボーイング(BA)などへの買いを支えに上昇し、ダウ平均とS&P500株価指数が史上最高値を更新しました。ダウ平均は一日を通して徐々に上げ幅を広げると64ドル高の22,268ドルと高値圏で取引を終え、6日続伸となり4日連続で史上最高値を更新しています。また、S&P500株価指数も4ポイント高の2,500ポイントと反発し、こちらも史上最高値を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も19ポイント高の6,448ポイントと反発しています。
昨日の米国市場はティラーソン米国務長官の「北朝鮮問題で平和的な解決を目指している」との発言を受けて北朝鮮への警戒がさらに後退し続伸となり、ダウ平均とS&P500株価指数が連日で史上最高値を更新しました。ダウ平均は一時90ドル高近くまで買われるなど一日を通して堅調に推移すると63ドル高の22,331ドルと7日続伸となり、5日連続で史上最高値を更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数も3ポイント高の2,503ポイントと続伸し先週末に続いて史上最高値を更新しています。さらにナスダック総合株価指数も6ポイント高の6,454ポイントと続伸となっています。
2.経済指標等
先週末に発表された8月の米小売売上高は前月比0.2%減となり増加を見込んでいた市場予想を下回りました。8月の米鉱工業生産も前月比0.9%低下し上昇を見込んでいた市場予想を下回りました。8月の米設備稼働率も0.8ポイント低下の76.1%となり市場予想を下回っています。一方で9月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数は24.4と前月から低下したものの市場予想を上回っています。9月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値も95.3となり前月から低下しましたが市場予想を上回っています。7月の米企業在庫は前月比0.2%増となり市場予想と一致しています。
昨日発表の9月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数は64となり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
先週末の米国市場で業種別S&P500株価指数は全11業種のうち電気通信サービスや金融、資本財・サービスなどの8業種が上げ、電気通信サービスは2%近く上昇しました。一方でヘルスケアと一般消費財・サービス、素材の3業種が下げています。
昨日の米国市場で業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融や素材、資本財・サービスなどの6業種が上げ、金融が1%高となっています。一方で公益事業や不動産、一般消費財・サービスなどの5業種が下げ、公益事業は1%近く下落しています。
4.個別銘柄動向
先週末の米国市場では、ボーイングが目標株価の引き上げを受けて1%を超える上昇となり上場来高値を更新しました。ボーイングはダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり1銘柄でダウ平均を26ドル余り押し上げました。画像処理半導体大手のエヌビディア(NVDA)も目標株価の引き上げを好感して6%を上回る大幅高となり上場来高値を更新しています。iPhone8と8プラスの予約受け付けを開始したアップル(AAPL)も1%高となったほか、年末商戦に向けて8万人を臨時で雇用すると発表した百貨店のメーシーズ(M)も2%以上の上昇となっています。一方で9-11月期の業績見通しが市場予想を下回ったオラクル(ORCL)が8%近く下げ大幅安となっています。
昨日の米国市場では、ゼネラル・エレクトリック(GE)が2%を超える上昇となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、投資判断の引き上げを受けてキャタピラー(CAT)も2%高となり52週高値を付けています。また、目標株価の引き上げを好感して画像処理半導体大手のエヌビディアが4%を上回る上昇となり前日に続いて上場来高値を更新しています。さらにオービタルATK(OA)を92億ドルで買収すると発表した防衛大手のノースロップ・グラマン(NOC)が業績の拡大を期待した買いから3%以上上げ、オービタルATKも買収価格にさや寄せする格好で20%高と急伸しています。一方で新たなハリケーンの接近を警戒しユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス(UAL)やアメリカン航空(AAL)といった空運株が下げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.02%高い2.20%となりました。昨日の長期金利は0.03%高い2.23%となっています。こうしたなかドル円ではさらに円安が進み111円台半ばで推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場でダウ平均とS&P500株価指数が連日で史上最高値を更新したことに加え、ドル円もさらに円安となっていることから本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は終値ベースで8月7日以来の20,000円台回復となりそうで、20,000円の節目を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)