NYダウ: 21784.78  ▼22.86 (9/7)
NASDAQ: 6397.87  △4.56 (9/7)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場はフロリダ州に上陸が懸念される大型ハリケーン「イルマ」への警戒が相場の重石となるなか小幅に高安まちまちとなりました。朝方は小幅に上昇する場面もみられたダウ平均ですが、徐々に売りが優勢になると軟調な展開が続き取引終盤には60ドル安余りまで売られました。引けにかけてやや持ち直したダウ平均ですが結局22ドル安の21,784ドルと反落となりました。また、S&P500株価指数も0.4ポイント安の2,465ポイントと反落となっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4ポイント高の6,397ポイントと続伸となっています。

2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比6万2000件増の29万8000件となり市場予想を上回る悪化となりました。4-6月の米労働生産性指数改定値は年率換算で前期比1.5%上昇し速報値から上方修正され市場予想も上回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち電気通信サービスや金融、一般消費財・サービスなどの3業種が下げ、電気通信サービスが2%を超える下落となったほか、金融も1%以上の下げとなりました。一方ヘルスケアと不動産、公益事業などの8業種が上げ、ヘルスケアは1%を上回る上昇となりました。

4.個別銘柄動向
最高経営責任者(CEO)が2017年9月期の1株利益が前期とほぼ同水準になると述べたことが嫌気されウォルト・ディズニー(DIS)が4%を超える下げとなり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。業績の下振れリスクが指摘されたゼネラル・エレクトリック(GE)も3%を上回る下落となったほか、長期金利の低下を受けてJPモルガン・チェース(JPM)とゴールドマン・サックス(GS)も1%以上の下げとなりました。アップル(AAPL)も新型iPhoneの供給不足や出荷の遅れが発生する可能性が報じられたことで小幅に下げています。さらにCATVの契約者数が7-9月期に10万-15万件減少するとの見通しを示したコムキャスト(CMCSA)が大きく下げています。一方で米証券取引委員会に提出した資料で17年12月期の業績見通しを引き上げたマスターカード(MA)が買われ上場来高値を付けています。製薬大手のブリストル・マイヤーズスクイブ(BMY)も肝臓がん治療薬の最終段階の臨床試験で良好な結果が出たと発表したことで大きく上げています。

5.為替・金利等
長期金利は0.06%低い2.04%となりました。ドル円は一時108円近辺まで円高が進む場面がありました。ドラギECB総裁の緩和縮小を10月にも決定するとの発言などを受けユーロ買い・ドル売りが膨らむなか、対ユーロでのドル売りが対円にも波及し円高となりました。朝方は108円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
ドル円が108円台を付け円高に振れていることから本日の日本市場は軟調なスタートが予想されます。こうしたなかで日経平均は200日移動平均線を明確に下回りそうですが、本日は3ヵ月に一度のメジャーSQのため寄り付きの動向が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)