1.概況
本日の日経平均は27円安の1万9357円と小幅に続落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数は小幅に上昇と日経平均以外の主要指数は上昇しています。昨日の米国市場は北朝鮮問題への懸念からダウ平均が234ドル安と大きく下落し、ドル円は108円台後半まで円高に振れました。日経平均は昨日までの2日間で300円超下げていたこともあり、99円安と続落して始まったものの米国市場が大幅安になったことからすると小幅な下げで始まりました。日経平均は寄り付き後に下げ幅を130円超まで広げて1日の安値をつけましたが、切り返すとその後は徐々に下げ幅を縮めました。前場を59円安で終えた日経平均は、後場に入ってからもさらに下げ幅を縮めて一時は14円安まで戻す場面がありました。引けにかけて再びやや下げ幅を広げたものの、結局小幅安での大引けとなりました。東証1部の売買代金は2兆2100億円と2兆円の節目を上回りました。東証33業種は17業種が上昇、16業種が下げました。倉庫運輸関連が2%を超える上昇となったほか、サービス業、水産・農林業、鉄鋼も1%を超える上昇となりました。一方で証券商品先物、空運業、銀行業の3業種が1%を超える下げとなりました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は多くが下げました。売買代金トップの任天堂(7974)、ソフトバンクグループ(9984)、三菱UFJ(8306)、トヨタ自動車(7203)、ファーストリテイリング(9983)などがいずれも下げています。ファーストリテイリングは2.5%安となり日経平均を30円近く引き下げました。日経平均構成銘柄の変更が発表され、採用銘柄と除外銘柄の株価が大きく動きました。新たに採用されることとなったリクルートホールディングス(6098)は7.8%の大幅高、日本郵政(6178)も1.9%高としっかりでした。一方で除外されることになった北越紀州製紙(3865)は6.1%安、明電舎(6508)も6.8%安とそれぞれ大きく下落しました。その他材料が出たところでは、コマツ(6301)が2.8%高としっかりでした。大手証券が投資判断と目標株価を引き上げたことが好感されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は小幅安となりましたがファーストリテイリングの下げの影響が大きく、実質的には日本市場は横ばいから小幅高といったところでしょう。米国株安を受けてもなんとか踏みとどまったという印象です。日経平均は200日移動平均はわずかに割り込んでしまいましたが、明日以降短期的に回復できるのであればマーケットの大幅なセンチメント悪化にはつながりにくいとみられます。今夜の米国市場ではISM非製造業指数と米地区連銀経済報告(ベージュブック)が発表されます。ベージュブックは連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策判断の基礎材料となることから、その内容が注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)