NYダウ: 21892.43  △27.06 (8/30)
NASDAQ: 6368.31  △66.42 (8/30)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は良好な経済指標を好感して続伸となりました。午前中は前日終値を挟んで揉み合う展開が続いたダウ平均ですが、午後に入り徐々に買いが優勢になると一時は50ドル高近くまで買われました。その後上値が伸び悩んだダウ平均ですが結局27ドル高の21,892ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数はハイテク株やバイオ株が買われたことで66ポイント高の6,368ポイントとなり1%を超える大幅高となっています。

2.経済指標等
4-6月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は年率換算で前期比3.0%増と速報値の2.6%増から上方修正され市場予想も上回りました。また、8月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数も23万7000人増となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術や素材、一般消費財・サービスなどの8業種が上げました。一方で電気通信サービスや公益事業、生活必需品の3業種が下げています。

4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では、シスコシステムズ(CSCO)とキャタピラー(CAT)、マイクロソフト(MSFT)、デュポン(DD)、ゴールドマン・サックス(GS)の5銘柄が1%を超える上昇となり、キャタピラーとゴールドマン・サックスの2銘柄でダウ平均を27ドル余り押し上げています。また、新型iPhoneへの期待からアップル(AAPL)が小幅に上昇し連日で上場来高値を更新しています。ダウ平均構成銘柄以外では、決算が大幅な増収となり見通しも市場予想を上回った半導体大手のアナログ・デバイセズ(ADI)が大幅高となったほか、アナリストが強気の見方を示したことで動画配信のネットフリックス(NFLX)も大きく上げています。さらに関節リウマチ向け治療薬の新薬承認申請を来年1月までに米食品医薬品局(FDA)に再提出すると共同で発表したイーライ・リリー(LLY)とインサイト・コーポレーション(INCY)が買われ、インサイト・コーポレーションは急伸しています。一方、決算で最終赤字が拡大した税務申告代行のH&Rブロック(HRB)が急落しています。

5.為替・金利等
長期金利は前日と変わらずの2.13%となりました。ドル円は良好な米国の経済指標を受けてさらに円安となり110円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高と円安を受けて本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか先週から節目の19,500円を超えてくると伸び悩む展開が続いている日経平均がどこまで上値を伸ばせるのかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)