1.概況
本日の日経平均は119円安の1万9959円と3日ぶりに反落して2万円を割り込みました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場で主要指数が高安まちまちで支援材料になりにくく、ドル円も111円台前半で推移と好材料が見当たりにくいなか日経平均は31円安の2万48円と小幅に安く寄り付きました。日経平均は寄り付き後も下げ幅を広げるとまもなく2万円の節目を割り込みました。前場を85円安で終えた日経平均は、ドル円が110円台まで円高に振れたことも嫌気され後場に入っても軟調な推移が続きました。一時は下げ幅を150円超まで広げる場面もあった日経平均は、結局119円安と1日の安値圏で取引を終えています。東証1部の売買代金は2兆7735億円まで膨らみました。東証33業種は電気・ガスや精密機器、食料品など15業種が上昇した一方で、証券商品先物やその他製品、空運業など18業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は下落した銘柄が目立ちました。売買代金トップの任天堂(7974)と2位のソフトバンクグループ(9984)がいずれも2%台の下げとなったほか、3位の東京エレクトロン(8035)は7%台の大幅安となっています。好調な決算を発表したものの、材料出尽くしで売られたようです。そのほかにもトヨタ自動車(7203)、日産自動車(7201)、花王(4452)、東芝(6502)なども下げています。東芝は複数の利害関係者が法的整理を求めているなどと報じられたことから11%近い大幅安となりました。日産自動車も決算が物足りないと受け止められ4%超下落しました。一方で売買代金4位に入ったセイコーエプソン(6724)は4.4%の逆行高となり年初来高値を更新しました。通期の業績予想を上方修正するなど好業績を受け買われました。また、8月1日から東芝と入れ替わりで日経平均に採用されることに絡んだ思惑も出たようです。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は買い材料に乏しい中反落しました。今夜は4-6月の米GDP速報値が発表されます。市場予想では前期比年率換算2.6%程度の高い成長が見込まれています。市場予想を大きく下回った際にはFRBの金融引き締めペースの鈍化がさらに意識され、円高ドル安要因となりそうです。また、来週は引き続き日本企業の決算発表が材料となるほか、米国の重要な経済指標の発表に注目が集まります。中でも1日のISM製造業景況指数、4日の雇用統計などが特に注目材料となりそうです。
(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)