1.概況
本日の日経平均は123円高の2万144円と続伸しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場で主要3指数が揃って史上最高値を更新した一方で、ドル円がやや円高に振れ強弱材料入り混じるなか日経平均は26円高と小高く寄り付きました。日経平均は寄り付き後しばらく小幅高でのもみ合いとなりましたが、10時半ごろから上げ幅を広げると前場を71円高で終えました。お昼休みの時間帯に日銀が金融政策の現状維持と物価上昇率の目標達成時期を従来から1年遅らせることを発表すると、大規模な金融緩和政策が長引くとの思惑が広がり円安ドル高が進みました。日経平均は円安進行を好感して後場寄りから上げ幅を広げると一時は上げ幅が140円に迫る場面がありました。日経平均はその後も堅調に推移すると1日の高値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆1144億円となりました。東証33業種はその他製品を除く32業種が上昇しました。中でも水産・農林業、化学、その他金融業、石油石炭製品、証券商品先物、電気機器の6業種が1%を超える上昇となっています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は上昇した銘柄が多かったものの、任天堂(7974)、ファーストリテイリング(9983)、三井住友(8316)の3銘柄は下落しました。材料が出たところでは、外資系証券が投資判断と目標株価を引き上げたTDK(6762)が5%近い大幅高となりました。また、認知症治療薬の臨床試験で良い結果が出たと発表した富士フイルム(4901)も2.6%高となっています。一方で創業家から新株発行の差し止め請求を受けていたものの、東京高裁が請求を棄却した出光興産(5019)は1%近く下げています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日銀の大規模な金融緩和政策が長引くとの思惑から日経平均は上昇しました。今夜は欧州中央銀行(ECB)の政策理事会が行われます。ECB高官は徐々に大規模な金融緩和政策を縮小させるとの意向を示しており、今夜どのような発表が行われるかによって欧米の金利動向また為替動向に大きく影響するとみられ注目されます。
(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)