1.概況
本日の日経平均は87円安の1万9994円と反落し、6月16日以来約3週間ぶりに終値で2万円の節目を割り込みました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場で主要指数が高安まちまちだったこと、ドル円も大きな値動きがなかったことから日経平均は19円安の2万61円と小安く寄り付きました。日経平均は寄り付きの水準が1日の高値となるとその後は徐々に下げ幅を広げました。前場を54円安で終えた日経平均は、後場に入ると一段安となり13時頃に134円安と1日の安値をつけました。その後は引けにかけてやや下げ幅を縮めて87円安で大引けをむかえました。市場ではまもなくETFの決算日が集中することから分配金捻出のための売りを先回りした先物売りが出たことが株価下落につながったとの指摘がありました。東証1部の売買代金は2兆3105億円となりました。東証33業種は建設業、水産・農林業、医薬品などディフェンシブセクターを中心に12業種が上昇しました。一方で石油石炭製品やゴム製品、鉱業など21業種が下落しています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は下落した銘柄が目立ちました。売買代金トップの任天堂(7974)が1.3%安となったほか、トヨタ自動車(7203)、三菱UFJ(8306)、ソニー(6758)、三井住友(8316)などがそれぞれ下落しました。一方でソフトバンクグループ(9984)はわずかに上昇しました。また、売買代金9位に入った良品計画(7453)は5.5%の大幅安となりました。昨日発表した第1四半期の決算は増収増益を確保したものの、市場コンセンサスを下回る水準だったこと、また昨日株価が大きく上昇していたことが売りを誘ったようです。その他材料が出たところでは、イオン(8267)が2%超の上昇としっかりでした。第1四半期の決算が増収増益を確保し、市場予想も上回った点が好材料となりました。また、ニコン(7731)が5%近い大幅高となりました。外資系証券が投資判断と目標株価を引き上げたことが好感されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は2万円をわずかに下回りました。堅調な企業業績を下支えとして大きくは下落しないものの、かと言って上値を追う材料にも乏しく膠着状態が続いています。今夜の米国市場では雇用統計の先行指標であるADP雇用統計やISM非製造業景況指数などの重要指標が発表され注目されます。

(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)