NYダウ: 21394.76  ▼2.53 (6/23)
NASDAQ: 6265.25  △28.57 (6/23)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
先週末の米国市場は前日に買われたヘルスケア関連株などに利益確定の売りが出て相場の重石となるなか小幅に高安まちまちとなりました。下落して始まったダウ平均は60ドル安余りまで売られると切り返し上昇に転じましたが、上値が伸び悩むと取引終盤には再び40ドル安程度まで売られました。その後引けにかけて下げ幅を縮めたダウ平均ですが、戻し切れず結局2ドル安の21,394ドルと4日続落となっています。一方でS&P500株価指数が3ポイント高の2,438ポイントと4日ぶりに反発したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も28ポイント高の6,265ポイントと3日続伸となっています。

2.経済指標等
6月の米製造業PMI速報値は52.1と前月から低下し市場予想も下回りました。一方で5月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比2.9%増の61万戸となり市場予想も上回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや情報技術、不動産などの6業種が上げました。一方で金融や公益事業などの5業種が下げています。

4.個別銘柄動向
ウォルマート・ストアーズ(WMT)が1%近く下げました。アマゾン・ドット・コム(AMZN)に対抗するための高級スーパーのホールフーズ・マーケット(WFM)への買収提案を積極的に検討していないと伝わったことが嫌気されました。そのほかダウ平均構成銘柄ではホーム・デポ(HD)が3%近く下げたうえ、ゴールドマン・サックス(GS)も1%を超える下落となっています。また、前日に買われたヘルスケア関連株に売りが出るなかユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も下げています。ダウ平均構成銘柄以外では決算で売上高が市場予想を上回る減収となったカナダのソフト開発会社のブラックベリー(BBRY)が急落しています。一方で住宅建設のDRホートン(DHI)が買収価格を引き上げたと発表した不動産開発のフォレスター・グループ(FOR)が大幅高となったほか、ファンドが買収意欲を示していると伝わった携帯端末向けの技術開発を手掛けるシンクロノス・テクノロジーズ(SNCR)が急伸しています。

5.為替・金利等
長期金利は前日と変わらずの2.14%となりました。ドル円は引き続き111円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
先週末の米国市場が小幅に高安まちまちとなり、ドル円にも大きな動きがみられないことから日本市場は本日も小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか材料難で日経平均は方向感に乏しい展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)