NYダウ: 21397.29  ▼12.74 (6/22)
NASDAQ: 6236.69  △2.73 (6/22)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は共和党上院による医療保険制度改革法(オバマケア)代替法案の提出を受けてヘルスケア関連が買われたことが相場の支えとなったものの、原油価格の戻りが鈍く原油相場に対する警戒感が引き続き重石となるなか小幅に高安まちまちとなりました。前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開でスタートしたダウ平均は、しばらくして買いが優勢になると小幅高での推移が取引終盤まで続きましたが、引けにかけて失速し結局12ドル安の21,397ドルと3日続落となりました。また、S&P500株価指数も1ポイント安の2,434ポイントと3日続落となっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は2ポイント高の6,236ポイントと続伸となっています。

2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比3000件増の24万1000件と市場予想を上回って悪化しました。5月の米景気先行指数は前月比0.3%上昇し市場予想と一致しています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品や金融、公益事業などの7業種が下げました。一方でヘルスケアや素材などの4業種が上げ、ヘルスケアは1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向
共和党上院による医療保険制度改革法(オバマケア)代替法案の提出を受けてヘルスケア関連株が買われ、ダウ平均構成銘柄ではメルク(MRK)やユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、ファイザー(PFE)などが上昇率上位に並びました。ダウ平均構成銘柄以外でもアムジェン(AMGN)やバイオジェン(BIIB)、ギリアド・サイエンシズ(GILD)などのバイオ医薬品株が買われています。また、投資ファンドによる買収が近いと伝わったオフィス用品のステープルズ(SPLS)や、決算が市場予想を上回る増収増益となったオラクル(ORCL)が大幅高となっています。一方で3-5月期決算が大幅減益となったうえ、通期の利益率の見通しを引き下げたコンサルティングのアクセンチュア(ACN)が大幅安となっています。

5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い2.14%となりました。ドル円は引き続き111円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が小幅に高安まちまちとなり、ドル円にも大きな動きがみられなかったことから日本市場は本日も小動きでのスタートが予想されます。本日も材料難で日経平均は方向感に乏しい展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)