NYダウ: 21410.03  ▼57.11 (6/21)
NASDAQ: 6233.95  △45.92 (6/21)

<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。原油価格の下落が重石となりダウ平均とS&P500株価指数は続落となったものの、バイオ株やソフトウエア株への買いを支えにナスダック総合株価指数は反発しました。朝方は小幅に上昇する場面もあったダウ平均ですが、上値が伸び悩むとしばらくして売りが優勢となり下げ幅を広げ午後には80ドル安近くまで売られました。その後やや持ち直したダウ平均ですが、結局57ドル安の21,410ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も1ポイント安の2,435ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は45ポイント高の6,233ポイントとなっています。

2.経済指標等
5月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比1.1%増の562万戸となり市場予想も上回りました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、エネルギーと電気通信サービス、素材の3業種は1%を超える下落となりました。一方でヘルスケアと情報技術、一般消費財・サービスの3業種が上げています。

4.個別銘柄動向
決算が大幅な増収増益となったソフト大手のアドビシステムズ(ADBE)が買われたほか、業務用ソフト大手に買収される可能性があると伝わった企業向けソフトウエア開発のCA(CA)が急伸しています。データセンターとサーバー向けCPU(中央演算処理装置)の新製品を発表したアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も急伸しています。また、アムジェン(AMGN)やバイオジェン(BIIB)、アレクシオン・ファーマシューティカルズ(ALXN)などのバイオ株が軒並み上げています。アマゾン・ドット・コム(AMZN)で近く直販を開始すると伝わったナイキ(NKE)も買われ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。一方で原油価格の下落を受けてシェブロン(CVX)やエクソンモービル(XOM)に加え、石油・天然ガス開発大手のチェサピーク・エナジー(CHK)なども売られました。キャタピラー(CAT)も3%を超える下落となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。

5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い2.16%となりました。ドル円は引き続き111円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が高安まちまちとなり、ドル円にも大きな動きがみられないことから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は方向感に乏しい展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)