NYダウ: 21384.28  △24.38 (6/16)
NASDAQ: 6151.76  ▼13.74 (6/16)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
先週末の米国市場は小幅に高安まちまちでした。原油価格が下げ止まったことを受けてダウ平均とS&P500株価指数は反発し、ダウ平均は史上最高値を更新したものの、アップル(AAPL)やグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)など主力ハイテク株の一角に売りが続いたことでナスダック総合株価指数は続落となりました。下落して始まったダウ平均は50ドル安余りまで売られると切り返し昼ごろにはプラスに転じました。その後前日終値近辺で底堅さをみせたダウ平均は結局24ドル高の21,384ドルとほぼ高値引けとなり、15日に付けた史上最高値を更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数も0.6ポイント高の2,433ポイントと3日ぶりに反発しています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は13ポイント安の6,151ポイントと3日続落となっています。

2.経済指標等
5月の米住宅着工件数は年率換算で前月比5.5%減の109万2000戸となり市場予想も下回りました。6月のミシガン大学米消費者態度指数速報値も94.5と前月から低下し市場予想を下回っています。また、米連邦準備理事会(FRB)が発表した5月の米労働市場情勢指数(LMCI)も2.3ポイントと前月から低下し市場予想を下回りました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品や情報技術、不動産などの6業種が下げ、生活必需品は1%近く下落しました。一方でエネルギーや公益事業、素材などの5業種が上げ、エネルギーは1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向
投資判断の引き下げを受けてナイキ(NKE)が3%を上回る下げとなりました。また、アマゾン・ドットコム(AMZN)が米高級スーパーのホールフーズ・マーケット(WFM)を買収すると発表したことで競争激化が懸念される小売株が軒並み下落しました。ウォルマート・ストアーズ(WMT)が4%を超える下げとなり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、ターゲット(TGT)、コストコ・ホールセール(COST)、スーパーマーケットチェーンのクローガー(KR)なども大きく下げています。一方でアマゾン・ドットコムとホールフーズ・マーケットは買われ、ホールフーズ・マーケットは3割近く上昇し急伸しています。さらに原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)やエクソンモービル(XOM)が上げ、シェブロンは2%近く上昇しダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。スイスのバイオ医薬品大手の買収手続きが完了したと発表したジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も1%近く上げています。

5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い2.15%となりました。こうしたなかドル円はやや円高となり110円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
先週末の米国市場が高安まちまちで、ドル円もやや円高となるなど強弱材料入り混じる格好となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか本日も日経平均に20,000円の節目を試すような動きがみられるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)