1.概況
本日の日経平均は111円高の1万9943円と5日ぶりに反発しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場で主要指数が下落した一方で、良好な経済指標が好感されてドル円が110円台後半まで円安に振れたことを受け日経平均は99円高の1万9931円と反発して寄り付きました。昼前に日銀の金融政策決定会合の結果発表を控えて警戒感が出たのか、日経平均は寄り付き後に徐々に上げ幅を縮めて一時は上げ幅が50円あまりとなる場面がありました。その後持ち直し前場を105円高で終えた日経平均は、お昼休みの時間帯に事前の予想通り金融政策の現状維持が伝わると不確定要素の払拭が好感され後場寄りから上げ幅を広げました。一時は上げ幅を180円超まで広げて2万円台をつける場面もあった日経平均ですが、週末を前に利益確定売りが出たのかやや上げ幅を縮めて大引けをむかえました。東証1部の売買代金は3兆1900億円と3兆円超えの大商いとなりました。東証33業種は27業種が上昇、6業種が下落しました。海運業や証券商品先物など景気敏感セクターの上げが目立った一方で、電気・ガス業、水産・農林業、小売業などのディフェンシブセクターは軟調でした。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は堅調な銘柄が目立ちました。売買代金トップの任天堂(7974)こそ下げたものの、NTT(9432)、ソフトバンクグループ(9984)、三菱UFJ(8306)、三井住友(8316)、JT(2914)などがいずれも上げています。材料が出たところでは、商船三井(9104)と日本郵船(9101)がそれぞれ2~3%台の上昇と堅調でした。外資系証券が両社の投資判断を中立から強気に引き上げたことが好感されました。一方で民事再生法の申請を検討していると報じられたエアバッグ等の自動車向け安全部品などを手がけるタカタ(7312)は東京証券取引所が事実確認のため売買を停止し、結局終日売買停止となりました。同じく自動車安全部品を手がける芦森工業(3526)はタカタの代替需要が高まるとの思惑から買われ32%近い大幅高となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日銀は市場予想通り金融政策の現状維持を決めました。今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)や金融政策決定会合といった重要イベントが相次ぎましたが、まずは無難に通過した格好です。来週以降はやや材料難といったところですが、トランプ大統領のロシアゲート疑惑の進展や米国の長期金利、ドル円動向などをにらみながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)