1.概況
本日の日経平均は317円高の2万177円と大幅に続伸し2015年12月以来約1年半ぶりに2万円の大台を回復しました。TOPIXやJPX日経400も大きく上昇した一方で新興市場のマザーズ指数は小幅に下落しています。昨日の米国市場で主要指数が揃って史上最高値を更新したこと、ドル円が111円台まで円安に振れたことを受け日経平均は110円高と続伸して寄り付きました。本日の日経平均は寄り付きの水準が1日の安値となりその後は上げ幅を広げる展開となりました。早々に2万円の節目を回復した日経平均はさらに上値を追う展開となり前場を279円高とほぼその時点の高値で終えました。後場に入っても上昇の勢いは衰えず、14時前に379円高の高値をつけた日経平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの317円高と高値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は3兆2232億円と3兆円超えの大商いとなりました。東証33業種は30業種が上昇しました。中でも鉄鋼が5%高となったほか、証券商品先物、海運業、銀行業など景気敏感セクターの上昇が目立ちました。一方で食料品、情報・通信業、水産・農林業のディフェンシブ3セクターは下落しています。東証1部の上昇銘柄は1,509、値下がりは420と日経平均が300円以上上昇した割には値下がりした銘柄も多くなりました。東証1部の騰落レシオは128%と昨日から1%ほど低下しています。東証規模別株価指数は、大型株が1.9%高、中型株が1.5%高、小型株が1%高と大型株優位の1日となりました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は8位のエムアップ(3661)を除いてほとんど上昇しました。売買代金トップの任天堂(7974)が1%強上昇したほか、三菱UFJ(8306)、ソフトバンクグループ(9984)、トヨタ自動車(7203)、ソニー(6758)などがいずれも上昇しました。中でも三菱UFJは4.4%の大幅高となっています。材料が出たところでは、国内証券が投資判断を引き上げた三井物産(8031)が3%超上昇しました。また、阪急デパートなどを運営するエイチ・ツー・オーリテイリング(8242)は5月の月次売上高が前年同月比105%と好調だったことを受け、7%近い大幅高となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は1年半ぶりに2万円回復となりました。ドル円はいまだに111円台と大幅な円安が進んだわけではありませんが、昨日からマーケットの雰囲気が一変しており日本株の買い意欲が一気に高まっているような印象です。大型株が顕著に上昇していることからすると、海外投資家の一角が買いを入れているものとみられます。本日の上昇を受けても日経平均の予想PERは14倍台半ば程度とみられ、企業業績面から見ると割高感がある水準ではありません。今夜21時半に発表される米雇用統計が良好で一段の円安が進めば、来週は一段高を期待することができるかもしれません。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)