1.概況
本日の日経平均は4円安の1万9682円と小幅に下落しました。JPX日経400も小幅に下げたものの、TOPIXや新興市場のマザーズ指数は上昇と主要指数は高安まちまちでした。先週末の米国市場で主要指数が高安まちまちで材料となりにくいなか、日経平均は10円高の1万9697円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後すぐにマイナスに転じ、一時は下げ幅を60円近くまで広げました。ただ、そこが1日の安値となるとその後は持ち直し再びプラスに転じました。前場を30円高で終えた日経平均は、後場に入っても同水準での推移が続きました。後場は一貫してプラス圏で推移していた日経平均ですが、引け間際にマイナスに転じ結局小幅安での大引けとなりました。方向感に欠ける値動きの中商いは盛り上がらず、東証1部の売買代金は1兆7928億円と活況の目安とされる2兆円を割り込みました。東証33業種はその他製品、食料品、小売業、サービス業など内需関連業種を中心に15業種が上昇しました。一方で鉄鋼や海運業、鉱業など18業種が下落し、中でも鉄鋼は2%を超える下げとなりました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は、上昇した銘柄が多くなりました。売買代金トップの任天堂(7974)が1.3%高で年初来高値を更新したほか、三菱UFJ(8306)、東芝(6502)、トヨタ自動車(7203)、ソニー(6758)がそれぞれ上昇しました。一方でソフトバンクグループ(9984)やエムアップ(3661)が下げています。材料が出たところでは、先週末の大引け後に中間決算の発表を行った旅行代理店のエイチ・アイ・エス(9603)が13.8%の大幅高となりました。経常利益が前年同期比で大きく増加したこと、自社株買いを実施すると発表したことなどが材料になったとみられます。また、システム開発を手がけるクレスコ(4674)は大手証券が目標株価を引き上げたことが好感され8%超の大幅高となりました。一方で大日本住友製薬(4506)は慢性閉塞性肺疾患治療薬の承認取得が遅れる可能性があるとして4.1%安となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日本市場は方向感に欠ける展開となり、主要指数は高安まちまちとなりました。今週は31日に地区連銀経済報告(ベージュブック)、1日にISM製造業指数、2日に雇用統計など米国の重要な経済指標の発表が続きます。これらの指標は6月に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを行うかどうか、またその後の利上げペースの思惑に影響を与えるため非常に注目されます。なお、本日の米国市場はメモリアル・デーの祝日のため休場です。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)