1.概況
本日の日本市場は3日ぶりの反落となりました。日経平均は、トランプ米大統領が情報当局者2人にロシアとの共謀を否定するように依頼したと伝わったことに加え、イギリスのコンサート会場で爆発があり多数の死傷者が出たとの報道を受けてドル円が一時110円台後半を付け円高に振れたことから30円安の19,647円で寄り付きました。下げ渋ったことで取引開始から10分程度でプラスに転じた日経平均はしばらく昨日終値を挟んで小幅に揉み合いましたが、10時過ぎに売りが優勢になるとその後はマイナス圏での推移となりました。14時過ぎからやや下げ幅を広げ一時92円安まで売られる場面もあった日経平均は結局65円安の19,613円で取引を終えています。一方、新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに3日続伸となり、日経ジャスダック平均は昨日に続き小幅に年初来高値を更新しています。

2.個別銘柄等
決算発表も一巡し目新しい材料にも乏しいなか投資判断と目標株価の変更に反応する銘柄が目立ちました。国内大手証券による投資判断と目標株価の引き上げを好感してフジクラ(5803)が8.0%高と急伸したほか、テルモ(4543)も外資系証券の投資判断と目標株価の引き上げを受けて3.0%高と大幅高となっています。さらに目標株価の引き上げがあった三井金属鉱業(5706)やエムスリー(2413)もしっかりでした。新興市場では目標株価の引き上げを好感してジャスダック市場のセリア(2782)が3.5%高と大きく上げ上場来高値を付けています。一方で投資判断と目標株価の引き下げがあったディー・エヌ・エー(2432)が5.5%安と大きく下げています。エイチ・ツー・オー リテイリング(8242)も投資判断と目標株価の引き下げを嫌気して4.4%安となっています。そのほかの材料が出たところでは、上野動物園のジャイアントパンダに妊娠の兆候があるとして25日から公開を中止するとの発表を受けて上野に本店がある東天紅(8181)が買いを集め一時18%以上上昇する場面もありました。引けは7.0%高となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
先週の17日に372ドル安と大きく下げた後3日続伸と反発し、17日の下げの8割近くを取り戻す格好となっているダウ平均に対して、日経平均の戻りは本日下げたこともあって18日の下げの2割強に止まっています。円高が日本株の重石となっていますが、このまま円高基調が続くようだと戻りの鈍い状況が続きそうです。なお、23日の米国では2018会計年度の予算教書の提出が予定されておりマーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)