1.概況
本日の日経平均は57円高の1万9900円と小幅に反発しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は概ね上昇しました。昨日の米国市場は主要指数が小幅に高安まちまちで支援材料になりにくかったものの、ドル円が113円台後半まで円安に振れたことを受け日経平均は47円高の1万9890円と小幅に反発して寄り付きました。日経平均は寄り付き後も堅調に推移すると、10時過ぎに95円高の1万9938円と1日の高値をつけました。その後は節目の2万円回復も意識される中で上値が重く、やや上げ幅を縮めると前場を60円高で終えました。日経平均は後場に入っても大きな値動きは出ず、結局前引けとほぼ同水準で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆7790億円と引き続き高水準でした。東証33業種は鉄鋼やその他製品、情報・通信業など18業種が上昇しました。一方で繊維製品やガラス土石製品、金属製品など15業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂（7974）が2.7％高としっかりだったほか、売買代金2位の東芝（6502）は7％近い大幅高となっています。また、ソフトバンクグループ（9984）、ソニー（6758）、ファーストリテイリング（9983）もそれぞれ堅調でした。一方でトヨタ自動車（7203）、SUBARU（7270）、三菱UFJ（8306）はそれぞれ下げています。材料が出たところでは、三菱自動車（7211）が9％超の大幅高となりました。昨日発表した2017年3月期決算で営業利益が従来予想の10億円を大幅に上回る51億円で着地したほか、今期の営業利益予想を700億円とするなど業績の顕著な改善が好感されました。一方で半導体製造装置大手のSCREENホールディングス（7735）は7％の大幅安となりました。今期の営業利益予想が前期比0.8％増とほぼ横ばいにとどまるとの見込みが嫌気されたようです。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は小幅に反発したものの、2万円回復はなりませんでした。過熱感への警戒と先高感の綱引きのような格好となっています。本日の大引け後にはトヨタ自動車が決算発表を行いました。前期は30％の営業減益で着地したほか、今期の営業利益予想も20％近い減益予想で市場コンセンサスを下回る水準となっています。一方で自社株買いの実施を発表しており、明日のマーケットの反応が注目されます。
（マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕）
