1.概況
本日の日経平均は52円安の1万9843円と4日ぶりに反落しました。TOPIXやJPX日経400も下落しましたが、新興市場のマザーズ指数は小幅に上昇しました。昨日の米国市場で主要指数は小幅に上昇し、ドル円は113円台まで円安に振れるなど外部環境は好転しましたが、日経平均は昨日450円の大幅高となった後とあって19円高と小幅高で寄り付きました。日経平均は寄り付き後にすぐにマイナスに転じると、その後は小幅なマイナス圏で推移する時間帯が長くなりました。前場を15円安で終えた日経平均は、後場に入ってやや下げ幅を広げてまもなく56円安と1日の安値をつけました。その後持ち直す時間帯もありましたがプラスに転じることはなく、結局52円安と1日の安値圏で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆6103億円と3兆円を超えた昨日からは減少したものの2兆円台後半の活況となりました。東証33業種は空運業や金属製品、建設業など12業種が上昇しました。一方で輸送用機器や鉄鋼など21業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は軟調な銘柄が目立ちました。売買代金トップの東芝(6502)や3位のソニー(6758)は上昇しましたが、トヨタ自動車(7203)、SUBARU(7270)、任天堂(7974)、ソフトバンクグループ(9984)、三菱UFJ(8306)などはいずれも下げています。中でも本日の13時に決算発表を行ったSUBARUは今期の営業利益予想が4100億円と市場コンセンサスを下回る内容だったことから発表後に下げ幅を拡大し、3.7%安となっています。その他材料が出たところでは、ブランド品等の中古販売を手がけるコメ兵(2780)が8.6%高と大きく上昇しました。平成29年3月期の業績が従来予想を上回って着地した見込みだと発表したことが好感されました。一方でセレクトショップ大手のユナイテッドアローズ(7606)は6%近い大幅安となりました。前期業績が17%の営業減益で着地したほか、今期の業績予想も物足りないと判断されたようです。
【VIEW POINT: 明日への視点】
昨日の大幅高の後とあって、日経平均は小幅に反落しました。日経平均は25日移動平均線との乖離率が5%超まで広がり、東証1部の騰落レシオが118%まで上昇するなど一部のテクニカル指標にはやや過熱感がみられています。こうした中で日経平均が2万円にタッチすることができるのかが明日以降の注目材料となりそうです。
(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)