1.概況

本日の日本市場は112円近くまで進んだ円安を好感して続伸となりました。25円高の19,335円と小幅高で寄り付いた日経平均は、徐々に上げ幅を広げると取引開始40分後ごろから三桁の上昇となり10時過ぎに153円高の19,464円まで買われました。その後19,400円台前半で小動きとなった日経平均ですが、大きく押すことなく三桁の上昇を続け結局135円高の19,445円と高値圏で取引を終えています。新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに上昇し、日経ジャスダック平均は6日続伸となっています。

2.個別銘柄等
ヤマハ(7951)が17.3%高となりました。14年ぶりに最高益更新となる今期の営業利益の見通しを発表し、市場予想も上回ったことから急伸し東証1部で上昇率トップとなりました。また、二桁の増益予想で市場予想を上回る今期の営業利益の見通しを発表した京セラ(6971)も1.7%高としっかりで年初来高値を更新しています。高島屋(8233)も2.4%高で年初来高値を付けました。4月の既存店売上高が前年同月比2.9%増と2カ月連続でプラスとなったことで買われました。13時半に決算を発表した伊藤忠商事(8001)も決算発表直後に2.4%高まで買われる場面がみられました。二桁増益予想で市場予想を上回る当期利益の見通しに加え、300億円を上限とする自社株買いが好感されました。引けは1.9%高となっています。一方で下げがきつかったのがジャパンディスプレイ(6740)で、2017年3月期の売上高と営業利益を下方修正し、最終損益が3期連続での赤字となる見通しを発表したことで6.1%安となっています。前引け後に2017年3月期の営業損益の予想を下方修正し、赤字額が拡大する見通しとなった日揮(1963)も後場寄りから大幅下落となり7.2%安となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
明日から日本市場は休場となりますが、休場中も米連邦公開市場委員会(FOMC)や米雇用統計といった重要イベントが予定されています。一目均衡表の雲を上抜けたことで日経平均の上値余地が広がる格好となるなか、こうしたイベントを受けて休場中に円安がさらに進めば連休明け後の一段高も期待できそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)