1.概況
本日の日経平均は50円安の1万8747円と3日ぶりに反落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場で主要指数は小幅に上昇しましたが、ドル円が110円台後半まで円高に振れたことを嫌気し、日経平均は80円安と反落して寄り付きました。寄り付き後に徐々に値を戻し一時は30円安まで値を戻しましたがプラスに転じることはできず、その後再び下げ幅を広げました。前場を89円安で終えた日経平均は、後場寄りから一段安となり13時半頃に136円安と1日の安値をつけました。日経平均は引けにかけてやや値を戻し結局50円安で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は1兆8634億円と昨日に続いて2兆円を下回る低水準でした。東証33業種は不動産業や保険業、陸運業、小売業など内需関連業種を中心とした10業種が上昇しました。一方で海運業や石油石炭製品、機械など23業種が下げています。
2.個別銘柄等
本日が再延期した四半期報告書の提出期限だった東芝(6502)は報告書を提出できないことへの警戒感からか2.7%安と3日ぶりに反落しました。その他の売買代金上位銘柄も下落した銘柄が目立ちました。三菱UFJ(8306)、任天堂(7974)、ソフトバンクグループ(9984)、ペプチドリーム(4587)、みずほ(8411)、三井住友(8316)がいずれも下落しました。一方で自動車株は比較的堅調でした。トヨタ自動車(7203)、SUBARU(7270)、日産自動車(7201)、マツダ(7261)がそれぞれ上昇しています。材料が出たところでは、昨日の大引け後に行った平成29年2月期の決算発表で、営業利益が前期比6.8%の増益となり今期予想も4.9%の営業増益とした宝飾品販売のヨンドシーホールディングス(8008)は堅調な業績が好感され2%超上昇しました。また、平成29年3月期の業績予想を上方修正した新日本無線(6911)は10%超上昇して東証1部の上昇率首位となりました。一方で今期の業績予想を大幅な減益見込みとした半導体関連のローツェ(6323)は失望売りが出てストップ安となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は円高進行を嫌気して反落しました。東証1部の騰落レシオは約80%と一般的に売られすぎと考えられる水準まで低下しています。ただ、地政学リスクがくすぶる中では本格的な買いは入りづらく、それが低調な商いにもつながっているのでしょう。引き続きシリアや北朝鮮関連の動向やドル円レートをにらんで警戒感の強い値動きが続くとみられます。
(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)