東京市場まとめ

1.概況

先週末にS&P500株価指数やナスダック総合株価指数が最高値を更新するなど米国株が堅調だった流れを受けて、本日の日経平均は345円高の58,821円で高く寄付きました。その後、ソフトバンクグループ(9984)をはじめとする主力株の一角やレーザーテック(6920)など一部の半導体関連株が堅調に推移し、後場の寄付き前後にかけてじり高となりました。

市場の一部では株価指数先物に対する海外短期筋からの買いを指摘する向きもありました。ただ、米国・イスラエルとイランが終戦に向けて落としどころを見出せるかに警戒感がくすぶっており、後場は上げ幅を削られる展開となりました。日経平均は最終的に前日比348円高の58,824円となりました。

TOPIXは16ポイント高の3,777ポイント、新興市場では東証グロース250指数が12ポイント高の802ポイントで、両指数ともに上昇しました。

2.個別銘柄等

中外製薬(4519)は5.9%高の8,844円と大幅反発しました。米製薬大手イーライ・リリー[LLY]の経口肥満症治療薬が発売初週に米国で1390回処方されたとの報道を背景に、ライセンス契約を締結している同社の収益に対する期待が広がり、買いが優勢となる展開となりました。

三菱重工業(7011)は3.1%高の4,506円となりました。同社が建造する「もがみ」型護衛艦をオーストラリア海軍に輸出する契約が締結されたことが好感される格好で買われました。市場の一部では株価の出遅れ感が買いを誘っているとの指摘もありました。

フジ・メディア・ホールディングス(4676)は7.8%高の4,066円と大幅反発しました。SBIホールディングス(8473)による株式保有比率の引き上げが材料視され、買い進まれる流れとなりました。SBIホールディングスの北尾会長兼社長らが関与を強める可能性がある、とみる向きもありました。

ユニチカ(3103)は21.4%高の3,745円で大幅高となりました。電子部品の生産に用いられる「ガラスクロス」などの需要拡大への期待から買いが集まりました。同社は祖業の衣料繊維事業から撤退し、構造改革を進めているほか、4月1日付でプライム市場からスタンダード市場に区分変更となっており、費用削減などによる業績改善を巡る思惑が広がりました。

ワコールホールディングス(3591)は16.1%高の5,042円となりました。月刊誌が20日に、「同社がアクティビスト(物言う株主)に身売りを迫られている」、「同社社内では経費削減の号令がかけられている」などと報じたことが株式市場では企業価値向上に向けた施策加速への期待となり、買いが優勢となった模様です。一部では大株主のアクティビストの過去の投資先において、非公開化やMBO(経営陣による買収)など資本再編に発展した事例があることから、同社についても将来的な資本政策の選択肢拡大を意識する見方が一部で浮上しているようです。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は反発となりましたが、戻り売りに押される場面もみられ、上値の重い印象の残る値動きでした。米国・イスラエルとイランの終戦に向けた交渉に関しては、一部報道で米国側が外交交渉の継続に前向きな姿勢を示している一方、イラン国営系メディアでは、米国の要求内容や対応姿勢に強い不満が示され、現時点で建設的な協議進展の明確な見通しは乏しいとする趣旨の見解が伝えられています。こうしたなか、目先は中東情勢に関連した新規材料に左右される展開が見込まれ、神経質な相場環境が想定されます。

(マネックス証券 シニアアナリスト 齊藤 聡)