1.概況
本日の日本市場は一時110円台前半まで進んだ円高を嫌気して大幅反落となりました。49円安の18,933円と小幅に下げて寄り付いた日経平均は取引開始後20分余りで142円安まで売られました。その後持ち直し前場を76円安と二桁の下げで終えた日経平均ですが、後場に下げ幅を再び三桁に広げると13時過ぎから一段安となり一時は279円安まで下落しました。しかし、年初来安値を下回ったこともあってさすがに下げ幅を縮め結局172円安の18,810円と年初来安値を小幅に上回って取引を終えています。こうしたなか新興市場も大きく下げ、東証マザーズ指数が3.2%安、日経ジャスダック平均が2.0%安とともに大幅続落となっています。

2.個別銘柄等
小売り企業の決算発表がスタートしていますが、こうしたなか決算発表を受けて買われる銘柄がみられました。昨日の取引終了後に決算を発表したしまむら(8227)は前期比16%増という市場予想を上回る営業利益の今期見通しが好感され一時6.5%高となり年初来高値を更新しました。引けは2.4%高となっています。同じく昨日の引け後に決算を発表した自転車専門店のあさひ(3333)も堅調な業績が好感され6.9%高と大きく上げ、こちらも年初来高値を付けています。一方で円高に加え、昨日発表された3月の米新車販売が市場予想を大きく下回ったこともあって自動車株が冴えませんでした。トヨタ(7203)が1.0%安となりおよそ5カ月ぶりに6,000円を割り込んだほか、ホンダ(7267)が2.7%安、日産(7201)が2.9%安、マツダ(7261)が3.1%安と下げています。米長期金利の低下を受けて生保株も安く第一生命ホールディングス(8750)が一時4.1%まで下げ年初来安値を更新しました。急落したのがキユーピー(2809)で、会計処理法の変更を考慮すると第1四半期(2016年12月-2017年2月)の営業利益が減益となったことが嫌気され8.6%安となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の日経平均は1月24日に付けた年初来安値(18,787円)を一時下回るなど大きく下げました。日経平均は先週末に年度末特有の需給要因からか150円を超す下落となり、昨年11月以降のトランプラリーで初めて一目均衡表の雲を下に抜けてしまっただけに、今年に入ってから3カ月間揉み合ったレンジの下限であるここで踏みとどまれるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)