1.概況
本日の日本市場は買い材料に乏しく下落しました。66円安の19,150円で寄り付いた日経平均は下げ幅を縮めるとしばらくしてプラスに転じましたが、昨日終値をわずかに上回ったところで上値を押さえられたことで直ぐに下落に転じました。前場は二桁の下落で推移し下げ渋っていた日経平均ですが、後場に入って下げ幅を三桁に広げると14時前から一段安となり取引終了間際には174円安まで売られました。結局、日経平均は154円安の19,063円と反落し安値圏で取引を終えています。新興市場も軟調で、東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに下落となっています。

2.個別銘柄等
昨日に米原子力子会社のウエスチングハウスが米連邦破産法11条の適用を申請し、2017年3月期の連結最終赤字が従来予想の3900億円から大幅に拡大して1兆100億円となり、3月末時点で6200億円の債務超過となる可能性があることなどを発表した東芝(6502)は4.0%高と続伸しました。小幅に下げて始まると昨日終値を挟んで揉み合う展開となりましたが、10時から半導体メモリー事業の分社化を決議するための臨時株主総会が始まるとしばらくして買いが優勢となり一時は5.6%高まで買われました。また、半導体関連銘柄に物色が戻りつつあるなか、本日も半導体製造装置の一角がしっかりでした。東京エレクトロン(8035)が一時2%近く上げたほか、SCREENホールディングス(7735)も一時2%を超えて上昇し、ともに昨年来高値を更新しました。アドバンテスト(6857)も3%以上上げる場面がみられました。半導体関連ではシリコンウエハー大手のSUMCO(3436)が一時4%近く上げています。その他で上げが目立ったのが武田薬品工業(4502)で投資判断と目標株価の引き上げを受けて4.0%高となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
明日は年度末ですが、最近は期末のドレッシング買いに期待できないこともあってか昨年度末が120円安、一昨年度末が204円安と日経平均は2年連続で下げて年度末を終えています。今年こそしっかりとした上昇で年度末を迎えたいところですが、小幅な反発に止まったり、続落となると27日に日経平均が節目の19,000円を割り込んだ際にサポートとなった一目均衡表の雲の下限を割り込んで雲を下に抜けてしまうことになり、後味の悪い年度末となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)