1.概況
本日の日経平均は177円高の1万9262円と続伸しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。ダウ平均が小幅に下落しドル円も一時110円台まで円高に振れたとあって、日経平均は18円安と小幅に反落して寄り付きました。ただ日経平均は寄り付きの水準が1日のほぼ安値となるとすぐにプラスに転じ、その後は上げ幅を広げる展開となりました。ドル円がやや円安に振れたことも追い風となり10時半に一時上げ幅を210円まで広げた日経平均は前場を189円高で終えました。日経平均は後場寄り後にやや上げ幅を縮めたもののその後再び盛り返すと、引けにかけても堅調に推移し高値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆1455億円と連日で活況の目安とされる2兆円を上回っています。東証33業種は3%近く上昇したパルプ・紙をはじめとして30業種が上昇しました。一方で石油石炭製品、海運業、鉱業の3業種は小幅に下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は概ね上昇しました。売買代金トップの任天堂(7974)が小幅高となったほか、東芝(6502)、三菱UFJ(8306)、トヨタ自動車(7203)、三井住友(8316)などがそれぞれ上昇しました。中でも東芝は投資ファンドのエフィッシモが筆頭株主に浮上した見込みとなったことが材料視され、7.6%の大幅高となりました。その他材料が出たところでは、クリーンルームや関連機器のメーカーである日本エアーテック(6291)がストップ高となりました。調合時に飛散した抗がん剤を無害にする作業台を発売すると報じられ、今後の業績拡大期待から買われました。また、後場に入ってからマネジメント・バイアウト(MBO)により上場廃止となると報じられたジュエリー販売のTASAKI(7968)は報道後に急騰し12%近い大幅高となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
下げて始まった日経平均ですが、一昨日の大きな下げを押し目と見た買いが入ったのかプラスに転じると上げ幅を拡大しました。昨日行われるはずだったオバマケア(医療保険制度改革法)代替法案の採決は本日行われる見込みと報じられており、採決が行われるのか注目されます。また、来週はいよいよ2016年度の最終週となります。3月末決算銘柄は28日が配当や優待等の権利付き最終売買日、29日が権利落ち日です。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)