1.概況
本日の日本市場は小幅に続伸し、日経平均は連日で昨年来高値を更新しました。ドル円が114円台後半と先週末に比べ円高となっていたことから58円安の19,545円と小幅に反落してスタートした日経平均は寄り付き直後に73円安まで売られましたが、19,500円を割り込むことなく下げ渋ると切り返し取引開始後30分余りでプラスに転じました。新たな買い材料に乏しいこともあって上値も51円高と限定的でしたが、その後も小幅高で堅調に推移した日経平均は29円高の19,633円で取引を終えています。後場の値幅がわずかに39円と重要イベントを控え様子見ムードも強く東証1部の売買代金は1兆7724億円と2日ぶりに2兆円を割り込みました。新興市場は軟調で東証マザーズ指数が反落となったほか、連騰が続いた日経ジャスダック平均もさすがに本日は下落し22日ぶりの反落となりました。

2.個別銘柄等
円安が一服となり輸出関連株が手掛けにくいなかで内需ディフェンシブ銘柄に堅調なものが目立ちました。なかでも食品株に昨年来高値を更新するものが多くみられ、アサヒグループホールディングス(2502)やカゴメ(2811)、日清食品ホールディングス(2897)、森永乳業(2264)などが昨年来高値を更新し、カゴメは上場来高値を付けています。10.0%高と急伸したのがディスプレー大手の丹青社(9743)で、2018年1月期の年間配当を前期比8円増の30円にすると発表したことで買いを集めました。また、大幅高となったのがリクルートホールディングス(6098)で目標株価の引き上げを好感して3.0%高となり昨年来高値を更新しました。一方で大きく下げたのが鳥貴族(3193)で第2四半期(2016年8月-2017年1月期)の営業利益が二桁の減益となったことが嫌気され4.4%安となりました。さらに先週末に昨年来高値を付けていたルネサスエレクトロニクス(6723)は利益確定の売りが出て3.0%安と大きく下げています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
下落して始まった日経平均ですが、下げ渋り底堅さをみせるとプラスに転じました。2ヵ月ぶりに昨年来高値を更新した先週末の堅調な地合いは本日もそのままのようです。今週は米FOMCやオランダ議会選挙などと重要なイベントが目白押しですが、イベントを波乱なく通過できれば、日経平均は堅調な地合いのなかでさらに上値を伸ばすような展開も期待できそうです。なお、明日は東芝(6502)が予定通り決算を発表できるかに注目が集まりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)