NYダウ: 20902.98  △44.79 (3/10)
NASDAQ: 5861.73  △22.92 (3/10)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は良好な米雇用統計を好感して続伸となりました。上昇して始まったダウ平均はしばらくして80ドル高余りまで買われましたが、上値が伸び悩むなか上げ幅を縮めると昼過ぎには30ドル安まで下落する場面もありました。その後持ち直したダウ平均は結局44ドル高の20,902ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も22ポイント高の5,861ポイントと3日続伸となっています。

2.経済指標等
2月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比23万5千人増となり市場予想を上回りました。また、失業率は前月から0.1ポイント改善の4.7%、平均時給は前年同月比2.8%増でともに市場予想と一致しました。2月の米財政収支の赤字額は前年同月比0.3%減の1920億4400万ドルとなり予想を上回る赤字となりました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や電気通信サービス、資本財など8業種が上げました。一方で不動産、エネルギー、金融の3業種が下げました。

4.個別銘柄動向
決算で売上高や1株利益が市場予想を上回った山岳リゾート運営のベイル・リゾート(MTN)が大幅高となったほか、同じく決算が市場予想を上回った化粧品のアルタ・ビューティー(ULTA)も大きく上げています。一方で最高経営責任者(CEO)の辞任を発表した保険のAIG(AIG)が小幅に下げ、決算が市場予想を下回った通信機器のフィニサー(FNSR)が急落しています。業績見通しが慎重と受け止められたスポーツ用品のズーミーズ(ZUMZ)も急落しました。

5.為替・金利等
長期金利は0.03%低い2.57%となりました。こうしたなかドル円は114円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
114円台後半とドル円が円高に振れていることから本日の日本市場は下落してのスタートが予想されます。ドル円の動向に神経質な展開が続きそうですが、こうしたなかで日経平均が節目の19,500円を維持し底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)