1.概況
本日の日本市場は一時111円台後半まで進んだ円高を嫌気して続落となりました。153円安の19,130円で寄り付いた日経平均は一目均衡表の雲の上限(19,079円)を前にしばらく下げ渋っていたものの、ドル円が112円を割り込んだことから10時過ぎから下げ幅を広げ節目の19,000円を下回って290円安近くまで下落しました。しかし、19,000円をわずかに割り込んだところでは押し目買いが入り前場は223円安の19,060円で取引を終えました。円高が一服したこともあって後場に入ってさらに下げ幅を縮めた日経平均は一時100円安余りまで持ち直しましたが、25日移動平均線(19,191円)を前に上値を押さえられたことで14時半すぎに再び190円安余りまで売られました。結局、日経平均は176円安の19,107円と4営業日続落で取引を終えています。主力株が冴えないなか新興市場は本日も堅調で、東証マザーズ指数が6営業日続伸となったほか、日経ジャスダック平均も小幅に12営業日続伸となり昨年来高値を連日で更新しています。
2.個別銘柄等
円高で大手自動車など輸出関連株が総じて冴えなかったうえ、金融株も売られました。米長期金利の低下を受けて先週末の米国市場でゴールドマン・サックス(GS)やJPモルガン・チェース(JPM)などが下げたこともあってメガバンクの三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)が2.6%安、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が2.0%安、みずほフィナンシャルグループ(8411)が1.3%安となっています。超長期金利の低下もあって生保株も安く、第一生命ホールディングス(8750)とT&Dホールディングス(8795)がともに4%以上下げる場面がみられました。こうしたなかで元気だったのが日清食品ホールディングス(2897)で引けは1.1%高に止まったものの、国内大手証券の目標株価と投資判断の引き上げを受けて一時4.0%高となる場面がありました。内需ディフェンシブ銘柄の一角に買いが向かうなか他の食品株にも堅調なものがみられ、味の素(2802)やハウス食品グループ本社(2810)、東洋水産(2875)が小幅に上昇しています。小売りにもしっかりしたものが目立ち、良品計画(7453)やニトリホールディングス(9843)、しまむら(8227)、イオン(8267)などが上げています。そのほか目標株価と投資判断の引き上げでディー・エヌ・エー(2432)も2.0%高となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
25日移動平均線を割り込んだ日経平均ですが、一目均衡表の雲の上限は何とか上回って引けました。明日は翌日にトランプ米大統領の議会演説を控え様子見になりやすいといえますが、そうしたなかで一目均衡表の雲の上限(19,054円)を明日も維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)