NYダウ: 19833.68  ▼111.36 (12/28)
NASDAQ: 5438.56  ▼48.89 (12/28)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は3日ぶりの反落となりました。上昇して始まったダウ平均は大台の20,000ドルまで19ドル弱まで迫ると利益確定の売りが出てまもなくしてマイナスに転じ一旦30ドル安余りまで売られました。その後切り返しましたが、前日終値を僅かに上回ったところで上値を押さえられると一気に下げ幅を広げる展開となり、結局111ドル安の19,833ドルと安値圏で取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も48ポイント安の5,436ポイントとなっています。

2.経済指標等
11月の中古住宅販売仮契約指数は前月比2.5%低下の107.3と3カ月ぶりのマイナスとなり上昇を見込んでいた市場予想を下回りました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。なかでも金融と素材が1%を超える下落となったほか、資本財・サービスと公益事業、エネルギーも1%近く下げています。

4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はトラベラーズ(TRV)を除く29銘柄が下げ、キャタピラー(CAT)とインテル(INTC)が1%を超える下落となりました。また、ボーイング(BA)やメルク(MRK)なども1%近い下げとなっています。ダウ平均構成銘柄以外では韓国公正取引委員会から独占禁止法違反で課徴金支払いを命じられたのを受け半導体大手のクアルコム(QCOM)が下げたほか、前日に上場来高値を更新していた画像用半導体大手のエヌビディア(NVDA)も大きく下げています。さらに開発中の医薬品の臨床試験の結果が条件を満たさなかったと発表したバイオ医薬品のアンセラ・ファーマシューティカルズ(ANTH)は6割を超す下げとなり急落しています。一方で開発中のがん治療薬の臨床試験第3相を実施することが当局から許可されたと発表したバイオ医薬品のガレナ・バイオファーマ(GALE)や、身売りを検討していると伝わったファッションブランドのケイトスペード(KATE)が急伸しています。

5.為替・金利等
長期金利は低調な米住宅関連指標の発表を受けて0.05%低い2.51%となりました。こうしたなかドル円はやや円高に振れ117円近辺で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安を受けて本日の日本市場は下落でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り底堅さをみせ、年末高値引けへの期待をつなぐような展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)