1.概況
本日の日経平均は151円安の1万8274円と続落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数もそれぞれ下落しています。先週末の米国市場でダウ平均は小幅に下げた一方S&P500やナスダック総合指数は小幅な上昇と上げ下げまちまちで支援材料になりにくいなか、イタリアの憲法改正を問う国民投票が反対多数となったことを受けドル円がやや円高に振れたこともあって日経平均は76円安と続落して寄り付きました。日経平均はまもなく60円安まで下げ幅を縮めましたが、そこが1日の高値となるとその後はマイナス圏でのもみ合いとなりました。前場を117円安で終えた日経平均は、後場に入ると一段と下げ幅を拡大しまもなく198円安と1日の安値をつけました。その後日経平均は大きくは値を戻せず151円安で取引を終えています。東証1部の売買代金は2兆2937億円と4営業日ぶりに3兆円には達しませんでした。東証33業種は水産・農林業や海運業などの7業種が小幅に上昇した一方で26業種が下落、中でも銀行業や不動産業などの下げが大きくなりました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は下落した銘柄が多くなりました。三菱UFJ(8306)が2.4%の大きな下げとなったほか、みずほ(8411)と三井住友(8316)がともに1%台の下げとなったほか、トヨタ自動車(7203)、ソフトバンクグループ(9984)などがいずれも下げています。材料が出たところでは、大ヒット映画「君の名は。」を中国で配給している会社に投資している日本アジア投資(8518)は2日続けてストップ高となりました。また、外資系証券が投資判断を引き上げた工作機械メーカーのDMG森精機(6141)は9%高と大きく上昇しました。また、運営するウェブサイトが問題となり先週末に大きく下げたディー・エヌ・エー(2432)は本日も5.6%安と大幅に続落しています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
ある程度予想されたことではあったものの、憲法改正の是非を問うイタリアの国民投票で反対派が多数となり責任を取って首相が辞任することになるなど欧州の政治情勢の混迷が深まったことなどを受け、日経平均は続落となりました。今週は8日に行われる欧州中央銀行(ECB)の政策理事会が最大の注目材料です。来年3月に期限を迎える資産購入プログラムについて何らかの変更が加えられる可能性があり、変更内容次第で欧州株またユーロが大きく変動する可能性があり注意が必要です。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)