1.概況
本日の日経平均は204円高の1万8513円と続伸し1月4日につけた年初来高値(1万8450円)を更新しました。TOPIXやJPX日経400も上昇しましたが新興市場のマザーズ指数は小幅に下げています。昨日のOPEC総会で産油国が原油の減産で合意したため原油価格が大幅に上昇、ドル円が114円台まで円安に振れたことを受け日経平均は226円高の1万8535円と大きく上昇して寄り付きました。前場の日経平均は徐々に上げ幅を広げると一時は上げ幅を440円近くまで広げました。日経平均は前場を413円高とその時点の高値圏で終えましたが後場に入ると上昇一服となり、13時半過ぎからは急速に上げ幅を縮め、一時は160円高となる場面がありました。日経平均は引けにかけてやや持ち直しましたが1日の安値圏での大引けとなり、長い上ヒゲをつけた格好となりました。東証1部の売買代金は3兆2911億円と昨日に続いて3兆円を超す大商いとなりました。東証33業種は26業種が上昇し、中でも減産合意を受け鉱業が9.5%高、石油石炭製品が6.9%高と原油関連業種がそれぞれ大幅高となりました。一方空運業やゴム製品など原油高がコスト圧迫要因となる業種を中心に7業種が下げています。
2.個別銘柄等
原油関連銘柄の大幅上昇が目立ちました。石油資源開発(1662)が12%超上昇したほか、国際帝石(1605)、日揮(1963)、JX(5020)、出光興産(5019)などが軒並み大幅高となりました。また、米財務長官に就任することになったムニューチン氏が金融規制の一部撤廃などに言及したことを受け銀行株も買われました。三菱UFJ(8306)が2.6%高となったほか、三井住友(8316)、みずほ(8411)も上昇しました。また、株高による商いの盛り上がりが期待され証券各社も買われ野村(8604)が6%近く上昇しています。材料が出たところでは、外資系証券会社が投資判断を引き下げたブリヂストン(5108)は1.8%安と冴えませんでした。
【VIEW POINT: 明日への視点】
OPECの減産合意を受け市場はリスクオンに傾き、日経平均は大きく上昇しました。ただ、本日つけた長い上ヒゲは一般的に株価が天井圏にあるサインとなることがあり、やや注意したいところです。次の市場の注目は日本時間の明日夜に発表される米雇用統計、週末に行われるイタリアの憲法改正を問う国民投票ということになりそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)