米国株安受け日経平均が暴落
ダウ平均が1,175ドルと史上最大の下げ幅となったことを受け、日経平均も暴落しています。2月6日の前場終了時点で日経平均は1,194円安(-5.3%)の21,487円、東証マザーズにいたっては124ポイント安の1,164ポイント(-9.7%)の暴落です。昨年末の終値は日経平均が22,764円、マザーズが1,231ポイントですからどちらも今年になってからの上昇を全て吐き出してマイナス圏に沈んだことになります。
このような状況になると、皆様大変不安になると思います。かくいう私もこういった暴落のたびに、何かこの先により悪いできことが起きるのではと不安になります。ただ、この数年間を振り返るとこういった暴落は結果的には投資の大きなチャンスとなりました。2015年から2016年にかけてのチャイナショック、2016年6月のBrexit(英国のEU脱退)、11月のトランプ大統領誕生など日経平均が1,000円前後の下落となったいずれの際も少し長めの視点で見ると結局は買いのチャンスでした。
「今回は違うかもしれないではないか。」そう思われる方が多いかもしれません。それはまさにその通りで、今回の暴落は「米長期金利の上昇」という経済のファンダメンタルズに関わる問題だけに、株価が本格的な調整に入る可能性も否定できません。
私は結局のところ、どのような事実認識をして、その認識のもとに自分がどういう判断をするかしかないのだと考えます。本日時点での私の認識は以下のとおりです。
・昨秋からたしかに米国株、日本株とも上昇のピッチは急で一定の調整はやむを得ない
-特に米国株は元々経済全体・企業業績とも好調のところにさらにトランプ政権による減税政策が決まり、期待が高まりすぎていた感がある。
-日本株も昨秋の衆院解散総選挙以降、アベノミクスの継続やデフレ脱却期待が急速に高まり、幅広い銘柄がかなりの水準まで買われた。
・日本株にフォーカスを当てると企業業績は非常に好調である
-日経新聞の報道によれば、2日までに決算発表をした上場企業の約7割が前年同期比増益で、今期日本企業は史上最高益を更新する見通し
-企業の平均想定ドル円レートは1ドル=110円程度でだいたい足元の水準であり、これ以上の円高が進めば円高が企業業績の足を引っ張る可能性がある。とは言え、今回の米株安の発端が長期金利上昇にあるとすれば、これ以上の大幅な円高が進む可能性はそれほど高くないのではないか
・本日の暴落で日経平均の予想PERは13倍台割安な水準まで低下
-5日時点の日経平均の予想EPSは約1,567円、前場終値21,487円÷1,567円=13.7倍
-以下のチャートで点線で示した、この数年間は日経平均PER13倍~14倍台は結果的にボトムになるケースが多かった。
→以上の理由から好業績の銘柄に打診買いを入れるには良い機会ではないか
このような事実認識と判断をしています。そして当レポートをお読みいただいている方はご存じかもしれませんが、私が何より重視するのは個別企業の成長力です。本日のレポートでは、暴落時に打診買いを入れても良いのではと考える銘柄群をご紹介します。
長期的な成長を達成してきた企業には「堀」がある可能性
何度か過去のレポートで触れてきたとおり、私は企業の利益成長と株価は中長期的にリンクすると強く考えています。もちろん、これまで成長できていた銘柄が今後も成長できるとは限りません。ただ、長期的に成長を達成してきた企業には何らかの理由、秘密がある可能性が高いと考えています。それはその企業の扱っている商品やサービスに対する社会的ニーズが非常に強い、その企業にしかない競争力の源泉がある、などが考えられます。ウォーレン・バフェットが「堀」と呼ぶ力です。豊臣秀吉が築いた大阪城のように、巨大な堀がある企業には他の企業が攻め込みにくいとイメージしていただくと良いかもしれません。
もちろん長期的に高成長を達成してきた企業に必ずしも「堀」があるとは限りませんが、可能性としては成長できなかった企業よりも高いでしょう。そこで本日のレポートでは、「過去10年間すべて増収増益で、今期も増収増益見込み」の企業をリストアップしました。具体的な条件は以下のとおりです。
リストには以下の企業があがってきました。コシダカホールディングス(2157)、エス・エム・エス(2175)、カカクコム(2371)、エムスリー(2413)、エービーシー・マート(2670)、アークランドサービス(3085)、スタートトゥデイ(3092)、ツルハホールディングス(3391)、GMOペイメントゲートウェイ(3769)、ドンキホーテホールディングス(7532)、ハイデイ日高(7611)、ステップ(9795)、ニトリホールディングス(9843)、ベルク(9974)です。
さすがに市場の期待を反映してPERが高い企業ばかりですが、こういった企業が暴落に巻き込まれて大幅に下落する局面はそう頻繁にあるものではありません。いきなり全力で買うのではなく、少しずつ拾うようなイメージでご投資いただくのは1つの方法ではないかと考えます。最後に簡単な企業の紹介と「マネックス銘柄スカウター」から業績の推移をご紹介します。