みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週も窓について解説したいと思いますが、前回の内容を覚えていますか?
前回は、25日移動平均線を上回って株価の反発が続くなか、「2月の1つ目の窓を埋める可能性が高まるかどうかのポイントについてお話ししたいと思います。それがチャート上に引いたトレンドラインです」としましたが、トレンドラインに接近したところで株価はどのように動いたのか、早速チャートをチェックしたいと思います。
上記のチャートは、前回の日経平均株価の日足チャートを今週の7月24日現在までアップデートしたものになりますが、前述のトレンドラインと株価の関係をご覧いただきたいと思います。一気に上回ったのか、あるいは押し返されてしまったのか?結果は...。
ご覧の通り、押し返される結果となっているのが分かります。ここで重要なことは、先週の時点でこのような値動きになる可能性があることを予想することと、予想した通りに動いた場合にどのような投資行動をとるかにあります。
前回書きましたように、仮にこのトレンドラインを上回って終えていれば、2月にあけた1つ目の窓を埋める可能性が高まったわけですが、一方終値で上回ることができずに押し返されてしまったとき、「この抵抗線を上回ることができずに反落したり、上回っても維持できずに押し返されたりするようですと、もち合いに戻ってしまうことが考えられ、買いポジションを持っている投資家は一旦利益確定が必要になるかもしれません」としましたが、指摘した通りの値動きになったことから、ポジションを持っている投資家は一旦売ってポジションをゼロにするか、軽くする必要があったと言えます。
こうした先読みの積み重ねがテクニカル分析の醍醐味であり、パフォーマンスの向上につながることになると私は考えています。
一方で、押し返されたのを確認してからトレンドラインを引いて、このトレンドラインが抵抗線になったために押し返されましたと解説しても、リアルタイムで日経平均株価の値動きを追いかけていない人にとっては、「そういうものか」と思われるかもしれません。
またそういう解説を見かけることもあると思いますが、ただそれでは実戦での投資行動が遅れてしまいます。そのため、前回指摘したように、株価の反発が続いたら何が株価の上昇を妨げるものになるのか、あるいは株価の上昇を妨げるものがそもそもあるのかについて常に考え、予測しておかなければならないのです。
私はこうした先読みをすることが投資行動の遅れを回避するなど、投資判断に役立つテクニカル分析の本来の使い方だと考えていますが、みなさんはどう思われますか。
余談はさておき、今回の反落によって日経平均株価はもち合いに戻ってしまう可能性が高まっていますが、上向きの75日移動平均線上を維持できるかが当面の注目ポイントになるのではないかと思われます。
なぜなら、今月7月12日と7月13日のあいだにあけた窓が75日移動平均線の下に位置しているからです。仮に75日移動平均線を終値で割り込むようですと、このときの窓を埋める可能性が出てきそうです。
一方で、窓を埋めたあとに株価が反発して75日移動平均線上を回復するようですと、反発への期待が高まりますが、75日移動平均線を割り込んだまま75日移動平均線上を回復できないようですと、7月11日の安値や7月5日の安値に接近することも視野に入るのではないかと思われます。
このように、窓を埋めることができずに押し返されてしまっただけで予想される次の展開が変わってきますので、毎日株価を見てどのように変化したのか、あるいは変化していないのかを確認する必要がありますので引き続き注目するようにしてください。
コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
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