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 何で今(4日午前11時)俺は家にいるのだ?行くはずだったのに。招待されていたのに。東京国際フォーラムに。あの「iTunes・ ミュージック・ストア」の発表会に、だ。

 俺は勘違いしていた。明日だとばかり思っていたんだよ。起きてパソコンを立ち上げて外為をチェックしてかなり落ち込んでいた。打ちひしがれた状態でmixiをチェックしたら、マイミクさんが現場レポートしてくれていた。行きたかった。遅かった。

 遅いと言えば「iTunes・ミュージック・ストア」の開始。日本は遅い。アメリカでは03年の4月から始まった。ドッグイヤーの昨今、2年4ヶ月の差は相当なものだと思う。全世界では既に5億曲も販売しているとの事。iTunes・ミュージック・ストアが全体の7割の シェアだそうだ。ということは配信で既に7億曲も売れているという事か。俺の曲も売れたかな?アメリカではこの音楽のダウンロード販売が始まってから、音楽業界の景気は良くなったのだそうだ。つまり販売代金が増えたということ。音楽にお金を払う人が多くなったという事、だ。

 気軽だもんねー。日本でもそうなると良いな。ダウンロード販売以前は違法コピー大全盛。みんなネットでコピーしまくりだった。でもちゃんとお金を払って聞きたいという人が全然多かったんだ。事前の予想よりも。捨てたもんじゃないよね。

 現在CDアルバムは2500円~3000円くらい。このうちの作家の取り分なんて微々たるもの。1曲につき数円の世界だ。残りが制作費と利益になる。音源制作費はもちろん、ジャケット制作費や広告宣伝費。また輸送費など。つまり手が込んでいる。だから「音楽」自体の値段よりも「商品」とした時の値段の方が高いわけだ。そこを省けば値段は下げられる。「音楽」に払われるお金は変わらずに。

 困るのは 「商品」を作る会社。今まで調子良くやってこられたから必要以上に組織が大きくなっちゃってる。当然それを維持しようとする。だから流れに抵抗する。これは世の常。でもネットの力には抗えないだろうね。

 この先の音楽業界は身軽な所が勝ち組になると思う。ネット配信なら在 庫も抱えないで販売が可能なのだから。もう巨大資本全盛の時代は終わ るのだろう。これもネットの力による「民主化」の一つだなぁ。

 しかし驚いた。俺がずっと所属していた彼のレコード会社はiTunes・ミュージック・ストアに参加していないのだそうだ。つまり俺の作った楽曲はiTunes・ミュージック・ストアでは買えないという事か?うーむ。彼の会社は主義を変えないという事か?俺のビジネスチャンスはどうなる?そして彼の会社の株価はどうなる?そして何らかの対抗手段は打つのか?要注目である。