サンプラザ中野だー!

 先週に続き「よさこい祭」について書く。わけのわからない人はバックナンバーから読んでくれ。

 で、大音響と派手な照明に誘われて踊り手たちは忘我の境地に入っていく。その精神状態で、両脇を観衆に埋め尽くされた競技場・演舞場を行くのである。踊り進むのである。第一回目に創作された踊りは「正調よさこい踊り」として今も受け継がれている。しかしそれを舞うのはごくごく一部の参加者だ。大方のチームはオリジナルの踊りを振付ける。演舞場には審査員がいる。審査によって優劣を競うのである。だから何ヶ月もかけて練習をするのである。

 まず 踊り子を募集する。踊り子はそれぞれ趣旨や踊りのレベルに応じてチームを選ぶ。毎年違うチームに参加することもできる。例えば「去年は踊りのうまいチームに入ったから、今年は衣装の綺麗なチームで踊ろう」という風に。地元のチーム以外は個人が基本なのである。チームは毎年踊り子を募集する。だから参加費を数万円払えば誰でもチームに入れる。これは衣装代・地方車代・振付師や作曲家への報酬などになる。この時点でこの祭は「商売になる」のである。

 だってそうだ。1万9千人分の衣装代。衣装はほぼ毎年変わる。踊りが変われば変わるのだから。180台にも及ぶ、デコレーションを施した地方車および搭載される音響機器代。これだけでも地方の祭としては破格の金が動くはずだ。さらに踊り子や観衆がホテルや交通機関に落とす金。いったいいくらくらいの規模になるのか?

 この「よさこい祭」は今急激に広がっている。全国で200箇所で「よさこい」と付く祭が繰り広げられているのだそうだ。一番有名なのは「YOSAKOI・ソーラン祭」だろう。札幌の夏の起爆剤として学生が始めたのが最初だそうだ。1991年のことだそうだ。東京でも始まっている。原宿界隈で「すーぱーよさこい2004」が今週末および来週末に開催されるのだ。高知の本家から優秀なチームが参加するものと思われる。規模は及ばないが、見たことのない人は是非見てみよう。この祭は日本を変える。否、「日本を救うかもしれない」と半分本気で俺は思っている。それはその自由度の高さにある。

 踊りも自由。音楽も自由。衣装も自由。町中が大音響。まさに町中がお立ち台。自由さと多様性に富んだ本当に素晴らしい「祭」なのである。

 「自由は土佐の山間より」という言葉がある。竜馬を生んだのも、自由民権運動の板垣退助を生んだのも高知なのである。