俺は行ったぞー、横浜スタジアムに。サンプラザ中野だー!11日、熱帯低気圧(台風四号の抜け殻)が吹き荒れた、アイルランド対サウジアラビア戦だ。
俺は1960年生まれだ。64年に東京オリンピック。70年に万博。72年に札幌オリンピック。98年長野オリンピック。今まで日本で行われた世界的規模のイベントには、どれも行ったことがなかった。しかし、2002年FIFAワールドカップ、俺はついに参加した!

2階席スタンドから見渡す横浜スタジアムの芝は、とても綺麗だった。雨に濡れ、カクテル光線を浴びて、つやつやと輝いていた。観衆は65320人。その中の一人が俺だ。

試合開始の10分ほど前、黄色い大きな旗を先頭に、両国の選手たちの入場だ。スタンドから大きな拍手。選手たちはユニホーム姿の子供たちにエスコートされて、ゆっくりとピッチを目指す。両国の国家が演奏されているときも、子供たちは一人一人の選手の前に立っているのだ。

よくある演出なのだろうが、俺はちょっと感動した。あの子達は、自分がエスコートした国のことを一生好きだろう。そして政治家にでもなったら、絶対戦争なんてしないんじゃないかな。世界平和への思いが掻き立てられた瞬間であった。

試合結果は3−0。モチベーションに勝るアイルランドの完勝であった。サウジアラビアは何度もチャンスを作ったが、決定力が無かった。引き換えアイルランドは大応援団の声援を受けて、最後の5分にも得点を決めた。非常にタフな、途切れることの無いゴールへの執念を見せ付けられた。

同時進行で静岡で行われていたドイツ対カメルーンの結果を受けて、グループリーグEの勝ち組はアイルランドとドイツに決まった。

ドイツに敗れて敗退したカメルーン。そのエースストライカーはエムボマである。エムボマは以前ガンバ大阪に在籍した。この人の名前のことで、俺はひとこと言いたいのである。

エムボマはエムボマではないのだ。エムボマを英語表記するとMbomaとなる。これはエムボマではなく「ンボマ」と発音する。日本ではありえないことだが、アフリカでは「ン」から始まる人名が結構ある。(正確にはンとムの間)。
俺が南アフリカで会った芸術家は「ンボンゲニ・ンゲマ」という名前だった。
「しりとり」の概念が崩れ去ってしまうことを恐れて(?)、サッカー協会がガンバに来たばかりのMbomaに、無理やり改名を迫ったものと思われる。しかしこれは大変失礼なことである。イチロー(Ichiro)がアイチローと呼ばれているようなものである。

それはさておき、FIFAは日本の各会場の芝を褒めたそうだ。俺は横浜の会場の係員(たぶんボランティア)の人々の前向きで丁寧な対応姿勢を褒めたい。これで決勝トーナメントに進めれば、日本サッカーの株は急上昇間違いなしだ。がんばれ、韓国・日本。

サンプラザ中野:数々の爆発的ヒット曲を生み出てきた「爆風スランプ」で活躍。現在はパッパラー河合と共に「スーパースランプ」として活動中。また「サンプラザ中野の株主への道」でマネックス証券社長松本との対談をご覧頂けます。
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